リバースエニアグラム

比較対象がいない_タイプ判定が難しい理由_その5

姉妹ブログ『シンプルエニアグラム』を開設しました。
 

初歩的なお話はそちらに逃し(?)
こちらは心置きなくコアというかマニアな内容にする、
という試みです。
 

あと『FFTP性格タイプ診断』も少しずつですが
診断データが貯まってきました。
 

取り急ぎ次回バージョンアップは設問内容の見直しと、
設問方法の変更を考えています。
 

近日中にアップしますので、
是非ダウンロードしてみてくださいね。
 

さて今回から再びシリーズ『タイプ判定が難しい理由』に戻ります。
 

タイプ判定が難しい理由
1.自分自身を見つめることの難しさ
 【そもそも自分を見つめることは難しい】-済
 【自分を見つめる機会が少ない】-済
 【外的基準がない】-済
 【比較対象がないいない】
 【人は役割に縛られている】
2.エニアグラムの内容的な課題
 【ダイナミズム(ウィングと矢印)】
 【チェック表】
 【書籍】
 【9択】
 【3つ組(視点)】

 

もともと新しいタイプ診断法を考える一助として
始めたこのシリーズ。
 

実は今回のテーマと次回のテーマが大詰です。
 

なので今回のテーマ「比較対象がいない」については
かなり突っ込んだ話をします。
 

頑張ってついてきてください。
 

タイプ判定で一番大事なこと

タイプ判定で大事なのはズバリ「比較」です。
 

「比較」とは
自分と他のタイプとの「違い」を見つけること。
 

そして同じタイプとの「共通点」を見つけることです。
 

当たり前のように聞こえるかも知れませんが
ちゃんと腑に落ちるような「違い」と「共通点」を
見つけることが大事です。
 

以下、この「比較」の仕方について掘り下げたいと思います。
 

特徴は「あいまい」なもの

まず、大前提として。
 

比較するタイプの特徴というのは、
ぶっちゃけ「あいまいな感覚」でしかありません。
 

客観的な数値で表すこともできなければ、
言葉でうまく表現することも実は難しいのです。
 

言葉だけで表現しきれるなら、書籍やWebサイトを見るだけで、
誰でもエニアグラムをマスターできるはずですよね?
 

でも、そんな人は殆どいない。
 

だから実際に人に接してみて、
そのタイプが持つ特徴の強弱を
「感覚」の文字通り、
「感じて」「覚える」必要があるのです。

 

言葉や数値で論理的に説明できないなら、
それは「あいまい」以外の何物でもありません。
 

なので私達は、
「そもそもあいまいな感覚を掴もうとしているのだ」
という前提を認識すべきなのです。
 

絶対的な尺度が無い

特徴とはあいまいで数値化できないとしても。
 

強弱を測る為には「高中低」等、ある程度の尺度が必要になります。
 

しなしながら、特徴の強弱を測るような絶対的な尺度はありません。
 

なぜなら、
人はそれぞれ自分の尺度でしか物事を判断できないからです。
 

例えば、タイプ1の特徴に
「責任感がある」があります。
 

じゃあ、他の性格タイプの人は全て無責任なのでしょうか?
 

聞くまでもなく
決してそんなことはありません。
 

誰だってその人なりに「責任感が必要な時」には
そのように振舞おうとしますし、実際振舞うわけです。
 

でも次のようなことが起こります。

1.自分では最大級の「責任感」を発揮しても、
 他の人達から見たら「とても無責任」に見えるらしい。
2.自分としては及第点の責任感を発揮した。
 あの人の評価は「可もなく不可もなく」だった。
3.自分としては、ちょっと手を抜いたつもりなのに、
 初めて接する人からは
「○○さんて、凄く責任感が強いんですね!」
 なんて言われてしまった。

 

よくあることですよね。
 

こういった食い違いは
それぞれが持っている「尺度」の違いが原因です。
 

尺度というのは定規の目盛りだと考えてみてください。
 

scail_1_1.jpg

『1.Aさんはタイプ1のBさんから見たら無責任の図』
 

scail_2_2.jpg

『2.タイプ1のBさんは同じタイプ1のCさんから見ても及第点の図』
 

scail_3_5.jpg

『3.Dさんからみたらタイプ1のBさんは少々手を抜いても責任感があるの図』
 

図を見れば一目瞭然ですね。
 

どの定規も目盛りの数は0から10と同じです。
 

でも目盛りの幅が違うんですね。
 

だからAさんにとっては目盛り10でMAXなのに、
タイプ1のBさんにとっては目盛り5未満で
「無責任なヤツだ」という印象を持ってしまうのです。
 

これが、
「人はそれぞれ自分の尺度でしか物事を判断できない」
という意味です。
 

ようするに、人によって他者の見え方はバラバラなんですね。
 

だから面白いことに、
エニアグラム指導者が芸能人や有名人をタイプ診断しても
結果は微妙に異なるのです。

自分の中に基準を作るには?

ではどうしたらよいのでしょうか?
 

絶対的な基準がないなら、相対的な基準を作るしかありません。
 

つまり、自分の尺度から見える感覚を養えばいいのです。
 

性格とは「ある事象に対する反応の違い」でもあります。
 

ですから
「自分の反応」と「他のタイプの反応」との違いを実感する。
 

「自分の反応」と「同じタイプの反応」との共通点を実感する。
 

ざっくり言うと、
前者は「それはないなぁ」という感覚。
 

後者は「ある!ある!」という感覚。
 

あくまでも自分を基準(起算点)にして、
各タイプと実際に接した時の感触をストックしていけばいい
んですね。
 

scail_5_5.jpg

情報化社会にはあるまじき、
恐ろしく手間隙かかる方法なんですが、
実質的にはこれが一番近道なんです。
 

そしてストックした感触を記憶に残す為には
自分の頭の中で「言語」に変換する必要があります。

 

この言語化については、
実際に自分の頭に浮かんだ自由な表現でOKです。
 

何もエニアグラム書籍や講師の表現にこだわる必要はありません。
 

所詮著者も講師も「自分の言葉」でタイプの特徴を語るしかないのです。
 

何度も言っていることですが「万人に響く言葉は無い」ってこと。
 

一から十までオリジナルな言葉に置き換える必要はありませんが、
しっくりこない言葉はどんどん置き換えちゃいましょう。

強弱は一時的か?傾向的か?

特徴の強弱は同じ人の中でも揺れ動きます。
 

例えばタイプ1の責任感は相当なものですが、
これが、責任を感じなくても済むような環境、
具体的には旅行などでは一時的にかなり開放的になるのです。
 

昔から「旅の恥は掻き捨て」という言葉があります。
 

特に会社の慰安旅行などでは、
「普段は細かいことに厳しい職人気質の上司が、
 部下よりも率先して開放的になる」
なんてことはよくありますよね。
 

で、入社早々慰安旅行に参加した新人さんから見れば、
この上司はタイプ1ではなく、
まるでタイプ7のように見えてしまうのです。
 

このように、ある特徴の強弱は同じ目盛りに留まるものではなく、
揺れ動くものだ
という認識も必要です。
 

面白いことに、人間は日々繰り返されることは
意識せず、忘れてしまうという習性があるので、
一時的なもののほうに意識が引っ張られがちです。
 

この習性もタイプ判定を難しくしている原因の一つです。
 

だから特徴の強弱を見ていく際は、
強弱が一時的なものなのか、それとも
傾向的で頻度が高いものなのかを見定める必要
もあるんですね。
 

結局のところ・・・

これまで書いてきた比較の仕方について
一旦まとめてみますね。
 

・タイプ判定で大事なのはズバリ「比較」
・「比較」とは
 1.自分と他のタイプとの「違い」を見つけること
 2.同じタイプとの「共通点」を見つけること
・特徴は「あいまい」なものだという認識が必要
・特徴を測る絶対的な尺度は無い
・人はそれぞれ自分の尺度を持っている
・実際に人に接し、自分の尺度から見えた感覚を養う必要がある
・特徴の強弱は揺れ動くので一時的か傾向的かを見定める必要がある

 

これらの内容を考えると、
やはりタイプ判定は難しいと言わざるを得ません。
 

難しいというのは技術的なことではなく、
条件的にという意味です。
 

なぜなら、結局
タイプ判定をする為には人に直接会うことが必要だ
という答えになってしまうからです。
 

そしてある意味、 一番最後の問題が一番大きな問題です。
 

なぜなら、
比較対象とする他者の特徴までが激しく揺れ動いてしまったら
自分の中にちゃんとした基準を作ることはできない
からです。
 

でもお伝えしたとおり特徴は揺れ動くのが普通なんです。
 

では自分の中に基準をつくるには
一体どうしたらいいのでしょうか?
その方法は二つあります。
 

タイプモデルと比較する

一つ目の方法は「タイプモデルとの比較」です。
 

「タイプモデル」とは、ようするに、エニアグラムを学んで、
 自分のタイプを熟知している人
のことです。
 

「私はタイプ○です。」と言い切れる人。
 

もちろん言い切るためには、相応の知識習得や体験が必要になります。
 

そして揺れ動く自分の特徴が、今どの状態、
どのタイプにいるのかが分かっている。
 

そして自分のウィングをちゃんと分かっていて、
ある程度ウィング違いの言動を演じることができる人なら最高です。
 

揺れが分かっていて、
ある程度コントロール出来る人ならOKなので、
対象者は講師レベルでなくても構いません。
 

なので自分のタイプ候補が絞れている場合、
その候補のタイプモデルと実際に会ってみてください。
 

もし、あなたがその人と同じタイプなら
それぞれが持っている尺度は殆ど同じ。
 

「揺れ動く感覚」もちゃんと教えてもらえますし、
使う言葉や表現の仕方も似通っているから、
ピン!ときやすい
のです。
 

このように自分のタイプ候補の
「タイプモデル」の方と接する機会があれば、
タイプ判定の道のりは相当短縮できるはずです。
 

逆に運よく独学で自分のタイプが分かった人も、
同じタイプの「タイプモデル」に会うことは、
自分の判断に「太鼓判を押してもらう」意味でメリットがあります。
 

同じく、
自分と違うタイプモデルと接することも大きな意味があります。
 

揺れがないので、安心して
自分との違いを比較することができるからです。
 

いずれにせよ
タイプ判定は腑に落ちるか落ちないか、ただそれだけ。
 

総当りで消去法を試みるよりは、自分と同じタイプモデルに
接するほうが楽ですね。
 

同じタイプの集団的同調を利用する

同じタイプ同士が数人集まると、
そこには独特な雰囲気や空気が流れます。
 

そこに他のタイプの人が紛れ込むと
違和感や「除け者」にされている感覚を味わう事ができるんです。
 

みんながそろってドレミの「ドー」と歌っているのに、
自分だけ「レー・・・レレ?」と歌っている感じです(笑)。
 

逆に自分と同じタイプの集団に参加すると、これまた面白いもので
まるでメンバーが旧来の友人のように思えたりするんです。
 

もしあなたがそんな機会に恵まれたら、
メンバー個々の特徴に目を向けるのではなく、
是非、集団全体に対して目を向けてみてください。
 

そうすれば、
そのタイプの特徴の平均値が見えてくるので、
それを基準とすればいいのです。

 

これが二つ目の方法、
「同じタイプの集団的同調を利用する」
になります。
 

タイプによっては、旧来の友人ではなくライバルに思えたり、
ウィング違いでは若干の違和感を感じることがあります。
 

それでも同じ匂い、同じベースを持っていることは分かるはずです。

比較対象がいない

長々書いてきましたが、
つまりはそういうことなんです。
 

タイプモデルや同じタイプの集団が身近にいないことが
あなたのタイプ判定を困難にしている
のです。
 

独学は言うに及ばず。
 

ワークショップやセミナーに参加したところで、
確実に出会えるわけではありません。
 

どちらにしても人に左右されるんです。
 

これが今回のテーマ
「比較対象がいない」という意味
なんです。
 

今回の結論が
タイプ判定に役立つ良質な『比較対象』に数多く接触すべし
なら。
 

タイプ判定を手早く済ます答えは
セミナー・ワークショップに出まくる
納得がいくまで他の会派をあたってみる
になってしまいます。
 

もちろんこれは私のような地方在住者には高嶺の花。
 

東京在住であっても、
よほどお金と時間が無い限り無理な話です。
 

ここにもエニアグラム学習の大変さがあるんですね。
 

今回はここまで。
 

今回お伝えしたのは・・・

・タイプ判定で大事なのはズバリ「比較」
・「比較」とは
 1.自分と他のタイプとの「違い」を見つけること
 2.同じタイプとの「共通点」を見つけること
・特徴は「あいまい」なものだという認識が必要
・特徴を測る絶対的な尺度は無い
・人はそれぞれ自分の尺度を持っている
・実際に人に接し、自分の尺度から見えた感覚を養う必要がある
・特徴の強弱は揺れ動くので一時的か傾向的かを見定める必要がある
・揺れ動くタイプの特徴を自分の中に基準化するためには
 1.タイプモデルと比較する
 2.同じタイプの集団的同調を利用する
・この二つの『比較対象』に接する機会が少ないことが
 タイプ判定を難しくしている原因の一つ

 

でした。
 

今回の考察は、
「紙や文字をベースにしたタイプ診断表」を作ることの難しさを
あらためて実感する結果となりました。
 

でも、実際に人に会わなくても診断表だけで
自分のタイプが分かってしまう人もいるのです。
 

だから診断表は意味の無いものではありません。
 

今回の考察で色々アイデアも浮かんでいますので、
タイプ診断法にフィードバックしていきますね。
 

次回はシリーズ『タイプ判定が難しい理由』のもう一つの大詰、
「人は役割に縛られている」というテーマについて考察します。
 

ご意見、ご感想をお待ちしております。
 

それではまた。

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