リバースエニアグラム

エニアグラム矢印考察第4回「善悪2元論型の会派と著者その1」

エニアグラム矢印考察第4回「善悪2元論型の会派と著者その1」

破壊者の母、篠田工治です。

エニアグラムの矢印考察第4回目です。

前回は、エニアグラムの各会派・各著者の矢印解釈は4つに分類できること、各分類の意味についてお伝えしました。

  1. 善悪2元論型
  2. 長短併せ持ち型
  3. 善悪長短混合型
  4. 割愛型

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今回は、どのエニアグラム会派や著者が「善悪2元論型」の矢印解釈をしているか、そしてその根拠についてご紹介したいと思います。

善悪2元論型の矢印解釈をする会派・著者一覧

まずは一覧から。

善悪2元論型の矢印解釈をする会派や著者は次のとおりです。

  • クラウディオナランホ氏(エサレン研究所、真理の探求者研究所)
  • イエズス会(キリスト教カソリック)グループ
  • ドンリチャードリソ氏、ラスハドソン氏(エニアグラム研究所)
  • ティムマクリーン氏、高岡よし子氏(C+F研究所、エニアグラム研究所日本支部)
  • カレンウェブ氏
  • 武田耕一氏、和泉育子氏、田中きよみ氏(日本エニアグラム学会)
  • 木村孝氏(国際コミュニオン学会)
  • 竜頭万里子氏(究極のエニアグラム性格学)
  • 安村明史氏(エニアグラムコーチング)

※2013.4.25追記 カレンウェブ氏については書籍を読み直した結果、長短併せ持ち型に変更しました。

本当はここにグルジェフ氏やオスカーイチャーゾ氏を含めてもいいと思うのですが、2週間ほど調べても決定的な証拠が見つからなかったので断念しました。

今回はボリュームの関係上、

  • クラウディオナランホ氏
  • イエズス会グループ

についてのみ、善悪2元論型に含めた根拠を示していきます。

クラウディオナランホ氏(エサレン研究所、真理の探求者研究所)

オスカーイチャーゾ氏が提唱した「性格の原型(分類)としてのエニアグラム」を学び、西洋心理学や精神医学の観点で研究したのがクラウディオ・ナランホ氏です。

この後に触れる、キリスト教のイエズス会グループやヘレンパーマー氏にエニアグラムを教えた人でもあります。

ナランホ氏の書籍については、「性格と神経症―エニアグラムによる統合 」という書籍だけが日本語で刊行されていますが、これは「エニアタイプの構造(Ennea-Type Structures: Self-Analysis for the Seeker)」という基本書の後に刊行されたもので、どちらかと言えば上級編という扱い。

Ennea-Type Structures: Self-Analysis for the Seeker naranjo

なので矢印に関する情報は部分的にしか載っておらず、実は「善」とされる矢印逆方向のことは触れられていません。

そのかわり、「悪」とされる矢印正方向については、

情動(パッション:各性格タイプの一番悪い特徴)はその前に位置する情動に基礎を置いている

とし、

  • タイプ9的な存在感の欠如が行動力を奪う
  • 行動力の欠如がタイプ6的な不安を生み出す
  • 大きな不安を抱えることが、勇気を持ってあるがままの自分になるより、タイプ3的な偽りの自分として行動することに繋がる
  • 偽りの仮面を付けることでますます自分の存在感が希薄になり、ますます不安が増して・・・

と、タイプ369の正方向「9 —> 6 —> 3 —> 9 ・・・」が負の連鎖、悪循環になることを指摘しています。

又、本書では次のような主張が出てきます。

  • 神経症(精神疾患)とは性格の障害である
  • 性格の問題は人間性や意識が堕落した結果である
  • 意識の堕落とは支配的な情動に対する隷属であり認知(思考)の歪みである
  • 必要なのは精神の中心にあって猛威をふるう暴君(情動・認知の歪み)からの解放である
  • 変容への願望を抱き、心をこの世(低俗)から神聖なものへと向けよ

結構アグレッシブな言い回しな気が。

あと引用はしませんが、同氏は神学も学んでいたとのことで、全体的にキリスト教的な比喩や表現が見受けられます。

こういった点を踏まえて同氏の矢印解釈は善悪の2元論型に含めました。

イエズス会グループ

church

上述のクラウディオナランホ氏よりエニアグラムの指導を受けた中に数人のイエズス会士がおり、後にエニアグラムとキリスト教の教えを融合させたのがイエズス会グループです。

ちなみにイエズス会とはキリスト教のカトリック教会最大の男子修道会であり、日本人に馴染み深いフランシスコ・ザビエルさんもこの会の所属なんだとか。

ザビエルとその弟子 (講談社文庫)

エニアグラム入門―性格の9つのタイプ」は日本で一番最初に翻訳刊行されたエニアグラム書籍ですが、著者のパトリック・オリアリー氏、マリア・ビーシング氏、ロバート・ノゴセック氏らがイエズス会のエニアグラムグループに属します。

エニアグラム入門―性格の9つのタイプ

本書は必然的にキリスト教的アプローチが多く、各タイプの解説も、

  • 理想家としてのイエス(タイプ1)
  • イエスは人々に仕えた(タイプ2)
  • イエスは成功のために働く(タイプ3)
  • イエスは感受性豊かである(タイプ4)
  • イエスは知恵を愛した(タイプ5)
  • イエスは忠実である(タイプ6)
  • イエスは楽観的である(タイプ7)
  • イエスは不正と対決する(タイプ8)
  • イエスは忍耐強い(タイプ9)

という感じで「イエスの人物描写」という切り口になっています。他にも、

  • 自分を罪人として認めよ
  • 信仰の欠如を認めよ
  • 自己救済の態度は傲慢の罪以外の何ものでもない
  • 神にすべてをゆだねよ
  • とりわけ信仰によって神から助けを得ることができる

などなど、私のようにキリスト教に疎い人が当書を読むと「??」となる台詞が結構あったりします。

そもそもキリスト教は絶対神、唯一神を崇める宗教であり、基本的には善悪の2元論、若しくは悪を認めない1元論的な考え方をします。

なので当グループの矢印解釈は確認するまでもないのですが念のため、

  • 囚われ==性格の悪い傾向=情動=絶対善に対する歪み
  • 矢印正方向=囚われへの誘惑、衝動的な傾き
  • 矢印逆方向=誘惑や傾きに逆らって行動すること=贖い(あがない、罪の償い)
  • 囚われからの解放は矢印逆方向に行動するだけは足りず、友人の助けと回心が必要

こんな感じになっています。

ちなみに回心という言葉は聞き慣れないですが、ウィキペディアさんによれば、

回心(かいしん、英: conversion)は、神に背いている自らの罪を認め、神に立ち返る個人的な信仰体験のことを指す。日本語訳の「回心」は仏教用語の「回心(えしん)」の流用または誤用である。

てな感じで囚われから解放されるには結局キリスト教の神を認めなさい、さもなくば救われないよと言ってるワケです。

こういった価値観と「矢印正方向にもなんらかのメリットはある」という考え方は馴染むはずもなく、当グループの矢印解釈は善悪の2元論に含めました。


今回は以上です。

次回は引き続き、善悪2元論型の矢印解釈を採用する会派と著者の紹介をしたいと思います。

それではまた。

追伸:ご協力のお願い

矢印考察は今回から数回に渡り、実態と異なる点がいくつか発生してしまうと思っています。

何故なら私が根拠とする情報は日本語の書籍とWebサイト、あと少ないお友達という極限られたものだからです。

というワケで、

私が学んでいる○○会、○○講師はそんなこと言っていないぞ!デタラメ言うな!

という方がいらっしゃいましたら、是非是非正しい情報を教えてくださいませ。

その場合は出来ればコメント欄を、ニックネームを披露したく無い方は問い合わせフォームを利用してください。

お問い合わせ

そもそも各会派の矢印解釈を比較しようなんてこと自体が、大それたことというかヤバイ気はするんですけどね(苦笑)。

でもそれで私自身の立ち位置を明確にできますし、エニアグラムを学ぼうとする読者さんにとっては、「どの書籍や会派が自分に向いているのか?」と迷った際の指針になると思いますので。

少々の間違いは気にせずにやっていこうと思います。

追伸その2

ああ、そうそう。冒頭の画像はパッションフルーツの写真です。はい。情動のパッションとかけてあります(笑)。

あとどうしても気になったのでナランホ氏の「Ennea-Type Structures: Self-Analysis for the Seeker」をAmazonで注文してしまいました。今後翻訳されるとは絶対思えないですので無謀にも原書を。

まだ届いていないのですが、正直言えばワクワクするよりはゲンナリしています。私の英語レベルは恐らく中学1、2年生レベルだからです(苦笑)。

でも図と単語さえ拾い読みすればなんとかなると思っています。甘いですかね(汗)。

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