リバースエニアグラム

自分や他者の性格を誤解する5つの理由

自分や他者の性格を誤解する5つの理由

破壊者の母、篠田工治です。

前回は、人の性格を知ることはそもそも難しいことをお伝えしました。

その一番の理由が「人の誤解のしやすさ」であると睨み、ジョハリの窓という心理学の世界では有名な概念に組み込むことで、性格を知ることの困難さを表現したつもりです。

前回の結論は、ようするに「誤解状態を一旦解いて無知であることを認めよ!」ってことなのですが、ボリュームの関係上、その手法については触れませんでした。

というワケで今回は誤解状態を解くための手法について少し考えてみたいと思います。

誤解を解くには誤解の理由を知れ

一般論ではありますが、何事も問題を解決しようとするなら、初めに現状を把握することが大切です。

今回の論点に当てはめるなら、まずは自他を誤解してしまう理由をしっかり認識する。

そうすることで、「人は誤解しやすい存在なのだ」と自覚し、「自分は無知なのだ」と認めることもできるようになります。

それができて、初めて素直な自己開示や新たな気付き、他者の言葉の受け入れが可能になると思うのです。

では、誤解の理由にはどんなモノがあるのかが気になりますが、現時点では次の5つがあると私は考えています。

  1. 客観視の難しさ
  2. 言動との一体化
  3. 根源や動機を割り出すのに必要なデータの不足
  4. 外からの情報による価値観の変化
  5. ダイナミクス(ウィング・矢印)による言動や特性の変化

以下順に説明したいと思います。

客観視の難しさ

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自分のタイプも影響していると思いますが、私は性格とは、ある意味「演じるモノ」だと思っています。

そして優れた役者であっても、自身が立つ舞台の演出や監督を同時にこなすのは至難の業であり、できるのは一握りの天才だけでしょう。

これはビジネスの世界でも同じで、例えば「優れた経営コンサルタントであればあるほど、自分の業務を客観的に見てもらう為に他のコンサルタントを雇う」という話をよく聞きます。

それほどまでに人と客観的に見るのは難しいんですね。

まずはこの認識が大事なのですが、どうしても「自分のことは一番自分が知ってる」と思ってしまいがちです。

なので「性格を一生懸命に演じて日々生き抜くことと、それを自ら客観的に捉えて分析することは別物である」と認識し、気に留めておく必要があります。

そして自身に対してだけでなく、他者の性格を知るときにも客観視が難しいことを思い出した方がいいでしょう。

なぜなら、一見他者のことを客観的に捉えたつもりでも、知らず知らずのうちに、自分の主観が混じっていることは少なくないからです。

例えば、

  • 対象者との利害関係・好き嫌い・関心の有無
  • 自分の性格タイプや後から身に付けた価値観
  • 現在の精神状態

など、こういった主観が他者本来の「色」に対して違う「色」を混ぜてしまうんです。心理学で言う、いわゆる「投影」って奴です。

こんなことから、自他問わず、人の性格を客観視するのはそもそも難しいと言えるのです。

言動と意識の一体化

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通常、性格が表れる際は、本人にその自覚は殆どなく、無意識にやっていることが多いです。

言わば意識と言動が一体化した本能的な状態。

これは

  1. 一々検討することを避けて言動を習慣化することで脳のカロリー消費を節約する
  2. 素早い反射によって逃避や攻撃を成功させる

という、動物が本来持っている「飽くなき生存への欲求」の表れと言ってもいいでしょう。

これまで何度かお伝えしましたが、脳は体重の2%しかないのに、消費カロリーは20%を超えるんですね。

長い人類の歴史の中で培われた飢餓への備えが、一々アタマを使って検討判断しないことであり、習慣化なのです。

そして弱肉強食の世界では一瞬の遅れが生死を分けるので、素早い反射的な行動が鍵になります。

このように性格とは習慣的反射的言動のことですから、それが表れている時は、そもそも意識が介在していないってことになります。

だから性格を自覚することが難しいのです。

この論点に対する解決策は今のところ思いつかないのですが、意識が介在しない以上、「人を見る目のある近しい人に素直に見てもらう」というのが一番有効かもしれません。

根源や動機を割り出すのに必要なデータの不足

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性格タイプの違いとは言動の動機の違いであり、その人が抱える根本的な価値観、すなわち根源の違いでもあります。

動機や根源は、言葉や行動の核(コア)みたいなモノなので、表面的な観察では中々見えてきません。

それでも一つ一つの言動の奥深くには必ず同じ動機や根源が含まれていますから、それら言動をじっくり観察すると、一定の方向性や傾向性のカケラが段々見えてきます。

なので人の動機や根源を知るには、その細切れになったヒントのカケラを沢山集め、それらを上手く繋ぎ合わせて「1つのテーマ」を組み立てる必要があるんですね。

例えるなら、遺跡から出土したバラバラの土器を修復するようなイメージです。

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だから、まず最初は実際に起こった言動であるエピソード(出来事)をかき集める必要があります。

実際に、私のタイプ診断のやり方を紹介すると、

  1. 主に過去のエピソードを沢山聞き出す
  2. 集まった沢山のエピソードをズラッと並べて、それぞれに「なぜそう言ったのか?なぜそのような行動をしたのか?」と考えてみる
  3. すると印象に残る動機や根源が2つか3つ見えてくるので、9つあるタイプのどれかに当てはめて候補を割り出す
  4. タイプ候補の動機や根源を念頭にエピソードを何度も見直し、大多数において筋よく説明がつくタイプを候補から選ぶ

かなりベタではありますが、文章による診断はこんな感じです。

やっぱり1つや2つの出来事からタイプを伺い知るのは難しいし、間違える元なんですよね。

例えば、実際にこういうコトを言う人がいました。

「あの男性は料理好きだからタイプ2だ」
「紫の服を着ているからあの人はタイプ4だ」

まぁ、確かにそういう傾向は無きにしも非ずですが、これだけの情報でタイプを判断するのは表面的というか短絡的と言わざるを得ません。

先ほどの例で言うなら、それはたった1つの土器のカケラを眺めて、その全体像を把握するに等しい行為だからです。

「なぜ料理をしたいのか?」と想像を巡らせて、料理という行動の奥に他のエピソードと共通する根源的な動機、「与えることでその人から必要不可欠な人間だと思われたい」を見つける。

「なぜ紫を身に付けたいのか?」と想像を巡らせて、他のエピソードと共通する根源的な動機、「他とは違う高貴で特別な存在だと思われたい」を見つける。

こういう作業を繰り返さないと本当の性格タイプは見えてこないと思っています。

なので、まずはその人の過去のエピソードというデータを沢山集めることが大事なんですね。

2013.5.16追記

データの不足は圧倒的にダメですが、無駄に多いのも考えモノです。

先ほどの土器の例で言えば、掘っている場所をドンドン広げれば広げるほど、他の土器のカケラも数多く混じるので、かえって完成像が見えにくくなるからです。

この当たりの取捨選択については、理屈というよりはむしろ直感的にやったほうが正しい解を得られることが多いと思っています。

外部からの情報による価値観の変化

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人は置かれた環境や日々触れる情報に左右されやすき存在だと言えます。

例えば、学生さんが進路を決める場合。

可能性は無限にあると言ってもそれは建前であって、

  • 家族
  • 学校の教師
  • 帰属する集団の文化や風潮
  • 流行り廃れ

などの影響によって、無意識のうちに、ある程度選択肢を絞ってしまうのが現実ではないでしょうか。

また、年齢や立場の変化に伴い、人は様々な役割を担う必要があります。

例えば、親、子供、夫、妻、上司、部下、職業。

幸か不幸か、その役割を担っていると、それに役立つ情報が自然と耳に入ってくるようになります。

なので、人はその役割をなんとか全うする為にそういった情報を過信し、自分の価値観をドンドン捻じ曲げていくようになります。

その役割が自分向きではないにしても、です。

これらは言わば固定観念という名の外部情報による洗脳であり、その影響は絶大なので誰もがその影響からは逃れられないのです。(もちろん個人差はあるけどね)

そして恐らく無意識なのでしょうが、役割を演じようとすればするほどその洗脳は強くなり、自分らしい価値観、すなわち本当の姿から離れていくことになります。

だから自分の性格は見えにくいんですね。

では自分に対する外部からの固定観念だけが問題かというとそうではありません。

これまた外から入ってくる表面的な情報だけを鵜呑みにすることで、他者の正しい姿も見えにくくなるからです。

固定観念が人の価値観を捻じ曲げるモノであるならば。

固定観念を引き起こすパターンを知っておけば、それに抗うことはある程度可能だと私は考えています。

具体的には次の6つが挙げられます。

  • 自分に対する固定観念を引き起こすモノ
    • 願望
    • 義務感(切迫感)
    • 拒絶(逃避)
  • 他者に対する固定観念を引き起こすモノ
    • 浅い関係者の評判
    • 表面的なプロフィール
    • 外見

ボリュームの関係で詳しく説明できませんが、自分に対する場合は、

  • 「大学教授になりたい ——> タイプ5だったらいいのになぁ」
  • 「よい教師にならなくてはいけない ——> タイプ1であらねば」
  • 「自分が怖がりなんて認められない ——> タイプ6はイヤだ」

こんな感じで自分を正確に見つめられなかったりします。

他者に対する場合は、

  • 「ワークショップで皆が同じことを言うから、あの人はタイプ9だ」
  • 「芸術家としての業績を多く残しているから、あの人はタイプ4だ」
  • 「いつも楽しそうな顔をしているから、あの人はタイプ7だ」

こんな感じで人を見誤ることがあります。

これら6つを意図的に遠ざけることが、自他の性格を知る上で重要な鍵になるでしょう。

ダイナミクス(ウィング・矢印)による言動や特性の変化

随分長くなったので、ここはサラッと行きましょう

以前のウィング考察や現在進行中の矢印考察と関連するのですが、ようするに

  • 人は基本のタイプをベースとしつつも、左右のウィングと両矢印の計5つのタイプ間で揺れ動く可能性がある

ということです。

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実際に私自身、自分の性格を冷静に見つめれば5つのタイプ間の揺れ動きを実感できますし、他者のタイプ診断をしていると少ない人で3つ、多い人で4つのダイナミクスタイプの影響を垣間見ることができます。

パッと見で判断するとダイナミクスのタイプと勘違いすることは少なく無いのです。

だからこそタイプを判断する際は、「その言動や特性が常にダイナミクスの4つのタイプを示しているかもしれない」と心に留めておく必要があるんですね。

もう一度私のタイプ診断のやり方を見てください。

  1. 主に過去のエピソードを沢山聞き出す
  2. 集まった沢山のエピソードをズラッと並べて、それぞれに「なぜそう言ったのか?なぜそのような行動をしたのか?」と考えてみる
  3. すると印象に残る動機や根源が2つか3つ見えてくるので、9つあるタイプのどれかに当てはめて候補を割り出す
  4. タイプ候補の動機や根源を念頭にエピソードを何度も見直し、大多数において筋よく説明がつくタイプを候補から選ぶ

つまり判断材料であるエピソードがダイナミクスのタイプを幾つか示す可能性があるので、この3.と4.の作業が必要なのです。


以上が「自分や他者の性格を誤解する5つの理由」の説明になります。

  1. 客観視の難しさ
  2. 言動との一体化
  3. 根源や動機を割り出すのに必要なデータの不足
  4. 外からの情報による価値観の変化
  5. ダイナミクス(ウィング・矢印)による言動や特性の変化

この5つをアタマの片隅にでも置いておけば、多少なりとも「自分は何も知らないのだ」と自覚でき、自他への誤解も減るハズです。

で、その後はジョハリの窓を意識し、自他共に知っているという「開放の窓」を広げていけばいいってことになります。

タイプ判断に役立つヒントが幾つもあったと思うので、自分のタイプが分からない人は当記事を是非読み返してくださいね。

今回はここまで。

それではまた。

追伸

タイプ診断中の方へ。

どうしてもこのネタを先にまとめたかったので、診断が数日中断してしまいました。ゴメンナサイ。

早速診断を再開しますので、しばしお待ちを。

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