リバースエニアグラム

エニアグラム矢印考察第9回「善悪長短混合型の会派と著者_その1」

エニアグラム矢印考察第9回「善悪長短混合型の会派と著者_その1」

破壊者の母、篠田工治です。

エニアグラムの矢印考察第9回目です。

前回は長短併せ持ち型の矢印解釈を採用する、ヘレンパーマー氏、レニーバロン氏、エリザベスウェイゲル氏、カレンウェブ氏についてご紹介しました。

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  1. 善悪2元論型-<済>
  2. 長短併せ持ち型-<済>
  3. 善悪長短混合型
  4. 割愛型

今回は3つ目の矢印解釈、

「基本的には矢印正方向は悪だが多少のメリットはある、逆も又然り」

という善悪長短混合型を採用する会派、著者についてご紹介します。

鈴木秀子氏(国際コミュニオン学会)

ここにきてようやく真打(?)のご登場です。

鈴木秀子氏は文学博士で国内外の大学で教鞭を執り、何十冊もの著書の執筆や翻訳をされてきた御方です。

Screenshot国際コミュニオン学会
動画は見つかりませんでした・・・。

エニアグラムについてはアメリカのスタンフォード大学でクラウディオナランホ氏などに師事し、

  • 日本で一番最初にエニアグラム書籍を翻訳
  • 日本で最初のエニアグラム団体である日本エニアグラム学会(1989年)、後に国際コミュニオン学会(1996年?)を創立
  • 恐らく日本で一番売れたエニアグラム書籍「9つの性格」だけでなく、他多数の書籍の執筆と翻訳
  • 国内外でエニアグラムのワークショップを開催

などなど、1980年代後半から現在にいたるまで、同氏は実質的に日本におけるエニアグラムを形作ってこられた、文字通り第1人者であります。

聖心会(カトリック)のシスターでもあり、世間的にはエニアグラムの第1人者というよりは、「愛と癒しの精神的指導者、セラピスト、臨死体験」というプロフィールや著書の方が有名かもしれません。

今から2年ほど前、秀子氏のご尊顔を拝見したいが為、地元名古屋のとあるイベントを見に行ってきたのですが、それはエニアグラムと関係ないイベントでして。同氏は癒しの指導者としてご参加されていました。

同氏のエニアグラム著書は、監修を含むと計8冊刊行されています。

このうち、私は一番最初の本を除いて7冊所持しているのですが、誤解を恐れずに言えば、

  • 基本書+上司部下関係=「9つの性格」
  • 要点整理+イエズス会初級理論+アドバイス集=「人間判断法」
  • イエズス会上級理論+仕事上のアドバイス+上司部下関係=「自分探し、他人探し」
  • 親子関係への活用=「子供をのばす」
  • 恋愛関係への活用=「愛する人、愛される人」
  • 相田みつお氏的な各タイプへの一言アドバイス集=「9つの性格に贈る言葉」
  • 各タイプのエピソード集=「9つの性格物語」

こんな感じでエリザベスウェイゲル氏、竜頭万里子氏と同じように幅広いテーマが扱われています。

9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係  子どもをのばす「9つの性格」  愛する人、愛される人の9つの性格―エニアグラムでわかる最良のパートナー  「9つの性格」人間判断法―エニアグラム活用術  9つの性格に贈る言葉―エニアグラムで変わるあなたの生き方・考え方 

そして同氏は前回までにご紹介してきた以下6冊の翻訳もされています。

という訳で、鈴木秀子氏の手によるエニアグラム書籍はなんと合計14冊にのぼります。

2013.5.23追記・・・リソ氏の「性格のタイプ」「性格タイプの分析」も初版本だと鈴木秀子氏監修になっているので、それを含めると16冊ですね。

実は上記訳書と「クラウディオナランホ氏に師事した」という点を合わせると、同氏は第3世代のエニアグラム指導者の殆どと関わりがあったんですね。

では鈴木秀子氏のエニアグアムの特徴はというと上手く説明しにくいのですが、

  • キリスト教イエズス会グループの理論がベースになっているものの、キリスト教色を極力排除し、マイルドな味付けになっている
  • 少なくとも7冊の自著にはウィングの概念が採用されていない
  • リソ氏の「成長のレベル」も不採用
  • 長短併せ持ち型のヘレンパーマー氏的な解釈が随所に見られる

こんな感じです。

いやぁ、ウィングの概念が同氏の著書に無いのはビックリというか、あるものだと勘違いしてました(汗)。

ただ、お弟子さんの木村孝氏の書籍には、リソ氏の説と前置きした上で、ウィングの概念についての記述があります。

ちなみに秀子氏が師事したクラウディオナランホ氏や交流のあったヘレンパーマー氏はウィングの概念を採用しており、イエズス会グループは不採用だったりします。

リソ氏の「成長のレベル」を採用していないことも踏まえると、鈴木秀子氏のエニアグラム解釈のベースになっているのはやはりイエズス会グループと言ってもいいでしょう。

それなのに、キリスト教的な言い回しや単語が殆ど無いのは、同氏の特徴というよりは日本人に向けた配慮なのでしょう。7冊の書籍をパラパラめくっても、キリスト教的な「神」の単語は一個しか見つかりませんでした。

矢印の呼び名については、書籍数が多いのでその表現方法も多いのですが、

  • 矢印正方向=囚われの方向、ストレス、衝動、分離、悪い面、否定的、マイナス、誘惑、歪んだ状態
  • 矢印逆方向=誇りの方向、学ぶべき方向、安定、安静、調和、良い面、肯定的、プラス、自己改革、矯正、高まった状態

こんな感じで流石にイエズス会グループのエニアをベースにするだけあって、善悪がハッキリした言葉が多いです。実際に2冊目の自著、「自分探し、他人探し」については矢印の解釈が善悪2元論型になっています。

しかしながら、同氏はヘレンパーマー氏やレニーバロン氏などから影響を受けたのでしょうか、3冊目の自著、「9つの性格」においては次のような文言が見られます。

これまで「囚われ」は人間の持つ可能性を抑え込む悪い傾向とのみ語ってきた。しかし実は、「囚われ」は、人のエネルギーの源泉でもある。その意味で「囚われ」とは、ある行動に人を駆り立てる心の声ということができる。<略>人間は往々にしてエネルギーを各タイプの「囚われ」から得ている。問題なのはその程度である。<略>「囚われ」をすべて追いだそうとする必要はない。性格のよい傾向を少し強め、「囚われ」が全面に出てくるのを抑えればよいだけなのだ。

こんな感じで「矢印正方向の囚われとは行動のエネルギーである」と一部肯定的に捉えています。

達成しなければならない目標をもって行動するとき、プレッシャーを感じ、いらいらしていれば、矢印の向きのタイプの否定的な面に行きやすい。<略>ただし目標をもって行動することが、常にネガティブな精神状態を作り出すとは限らない。逆に意欲的で希望に満ちた状態で物事に取り組むこともある。例えばタイプ3が、ストレス時にタイプ9の肯定的な面に行くこともあるのだ。その場合は、安らかな気分の中で周囲を受容し、広い視野から物事をみるようになる。一方安定時には矢印の反対の向きのタイプの肯定的な面に行きやすいが、逆にそのタイプの否定的な面が出ることもある。タイプ3の例で言えば、タイプ6の否定的な面に行くと他者への依存意識が強まり、他者の批判を恐れ、意思決定ができなくなる。これは、安定に埋没してしまった状態と言える。

こんな感じで、書籍にはタイプ3の事例だけしか書かれていませんが、ヘレンパーマー的な長短併せ持ち型の矢印解釈もしているんですね。

その後に刊行された書籍「子どもをのばす『9つの性格』」でも同じようなことが書かれています。

一般的な傾向として、ストレス時には、矢印の方向の悪い面が出やすく、安定時には、矢印と反対の方向のよい面が出やすいのですが、本人の意識のもちようで矢印の方向のよい面を出すこともできますし、矢印と反対の方向の悪い面がでることもあります。

こんな感じです。但し、その後に刊行された書籍「『9つの性格』人間判断法」では、

「囚われ」でエネルギーを生む人より、「囚われ」によって可能性を押さえ込まれている人のほうが、圧倒的に多いということも確かです。

こんな感じで矢印正方向に進むことのメリットはかなりトーンダウンしており、その後刊行された自著については、そもそも矢印についての言及がなくなります。

では現在国際コミュニオンさんの矢印解釈はどうなのかというと、それは私にも分かりません。そのあたりの情報は他の会派のように公式サイトに掲載されておらず、ネットで検索しても見つからないからです。

以前、私は同会派の初級ワークに少しだけ参加していましたが、そもそもそこでは矢印への言及はなく、知人から見せていただいた通信講座の初級テキストにも矢印への言及が無かったように記憶しています。

そもそも矢印の概念は同会派にとって中上級扱いなのかもしれません。

というワケで、鈴木秀子氏の矢印解釈は、ネットや書籍からの情報では正直よく分からなかったりします(汗)。

クリスチャンだから、シスターだから善悪2元論型だろうと判断するのはあまりにも乱暴で失礼なことですし、かと言って、ヘレンパーマー氏のように長短併せ持ち型とするのも、その言及が少なく、タイプ3以外の事例は全くないので無理があります。

多分、善悪2元論型なんでしょうけど、日本で一番売れたエニア書籍に一長一短的なことが書いてある以上、それを無視することもできないんですよね。

随分悩んだ結果、鈴木秀子氏の矢印解釈は善悪2元論型と長短併せ持ち型の中間にある、そう解釈することにしました。

それが

  • 基本的には矢印正方向は悪だが多少のメリットはある
  • 基本的には矢印逆方向は善だが多少のデメリットはある

という善悪長短混合型の解釈です。

私の勝手な想像でしかないのですが、これは同氏が誰よりも沢山のエニアグラム指導者の考えに触れて咀嚼した結果なのかなぁと。

その意味においても、やはり鈴木秀子氏は国内エニアの第1人者の名に相応しい御方だと思うのです。


というワケで今回はここまで。

実はもう御一人、善悪長短混合型の矢印解釈をされている方がいるのですが、随分長くなってしまったのでここで一旦切りたいと思います。

それではまた。

追伸

善悪長短混合型・・・。ぶっちゃけセンスが無いネーミングなのですが、上手い呼び名が思いつかないのでこれで行くことにします。

もっといい呼び名があればコメントしてください。もちろん同氏の矢印解釈を正しく知っていたらそちらも是非教えてください。ちゃんと訂正しますので。

追伸その2

上述の鈴木秀子氏がご参加されたイベントですが、これは確か名古屋市商工会の定例会に付随したイベントだったと記憶しています。

時期的に東日本震災絡みのお話が多かったのですが、パネリスト(コメンテーター?)が3人いて、一人は地元では有名なお寺のご住職、もう一人は名古屋出身のファッションモデル「佐藤かよ」さん(男の女の子?)、そしてシスター鈴木氏という並び。

「一体誰が組んだんだよ!」というツッコミ満載の組み合わせで、お互いの話の噛み合わなさがなんとも言えませんでした(汗)。

かよさんは綺麗でしたよん。

Screenshot佐藤かよ オフィシャルブログ 「ennui my pace」
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