リバースエニアグラム

エニアグラム矢印考察第17回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(前編)_2つの矢印タイプは基本タイプの土台」

エニアグラム矢印考察第17回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(前編)_2つの矢印タイプは基本タイプの土台」

リバエニの篠田工治です。

今回はエニアグラムの矢印考察第17回目です。

矢印考察一覧

[catlist name=arrow numberposts=17 sortby=date order=asc]

 

前回は矢印の「環境変化に対する適応機能」につき、

  • 矢印を含むダイナミクスには疎遠タイプへの移行が困難になるというデメリットがあり、そのデメリットを埋めるべく「(シンボル図の円が示す)他者との協力関係」というサブシステムが生まれた
  • 適応機能における「他者との協力関係」というサブシステムの登場は、基本タイプとダイナミクスを補完するだけでなく、「個の生存→個と共同体の生存」という生存目的の進化を促した
  • そもそもエニアグラムのシンボル図は生命の進化を示すとされているので、矢印に進化性を見出せるのはある意味当然

ということをお伝えしました。

エニアグラム矢印考察第16回「環境変化に対する『適応』機能(後編)_なんでも1人でする必要はない」エニアグラム矢印考察第16回「環境変化に対する『適応』機能(後編)_なんでも1人でする必要はない」

厳しい生存競争を生き抜く為に9つのタイプが互いに協力し合う、その形は「9つのハブ構造の円状結合」であり、エニアグラムはそれを表したモノ、というのが篠田的解釈です。

矢印考察の予定

  1. シンボル図全体を眺めて感じたこと・・・
  2. 矢印の本質と「型」を持つことの意味・・・
  3. 篠田が考える矢印解釈
    1. 大前提「性格タイプは基本タイプを中心にして矢印双方向のタイプに頻繁に行き来する」・・・
    2. 矢印が生まれた理由=「環境変化」と「型崩れ」・・・
    3. 機能その1_環境変化(外的変化)に対する「適応」(前編)・・・
      型と柔軟性のいいとこ取り(中編)・・・
      なんでも1人でする必要はない(後編)・・・
    4. 機能その2_型崩れ(内的変化)に対する「調律」・・・今回はココ
  4. 他の矢印解釈に対する意見
  5. 独自解釈に至った理由
  6. リバエニは何を目指すのか?誰の為のエニアなのか?

まだまだ篠田が考える矢印解釈は続きますが、

  1. 調律機能の概要
  2. 調律機能と適応機能の根拠は「弁証法」
  3. エニアグラム=弁証法

という感じで進めようと思います。

ホントは先に弁証法とエニアグラムの関係をやるつもりでしたが、この順番のほうが理解しやすいと思い変更しました。

というワケで、今回はもう一つの矢印機能「型崩れに対する調律(修復)」の概要をお伝えします。

ゆっくり進む型崩れは自分では気付けない

Golf

最初に結論ですが、矢印の調律機能を一文で書くと

時間の経過により、基本タイプの特性が歪んでしまって上手く発揮できない時に、矢印双方向のタイプに移行することで基本タイプを修復する機能

ってことになります。

3回に渡ってお伝えした矢印の適応機能は、自分の外にある環境の変化に対応することが目的でした。

身に付け磨いた一つの「型」の強みは、環境の変化が起これば「弱み」に転じることが多い。

そのことを実は本能や無意識が理解しているからこそ、人は誰でもアンテナを立て、些細な変化を逃さずキャッチしようとします。

変化をキャッチすれば、殆ど無意識且つ瞬時に4つのダイナミクスタイプのうちから最適なモノをどれか一つを選択する、というのはこれまでお伝えしたとおりです。

まぁ、人の感覚器官って奴は基本的には「外」に向いてるので、ここでいうアンテナもやはり「外」に向かっているのです。

(ああ、そうそう、ダイナミクスタイプという呼び方はしっくりこないので、これからは疎遠タイプに合わせて「近接タイプ」と呼ぼうと思います)

しかし内なる変化、すなわち自分自身のゆっくりとした変化に対してはどうでしょうか。

例えば、よくプロ野球やプロゴルフとかで、どんな名選手でも一度は「フォームが微妙に崩れてスランプになる」ってことを聞きますよね。

「コンマ何秒のタイミング」とか「1度や2度の角度」とか「僅かな力加減」などの「ズレ」が原因なのでしょうが、特に厳しいプロの世界ではその些細な「ズレ」によって敗北が決まったり成績が大幅に悪化したりします。

そんな場合は、然るべき眼力のあるコーチの指摘や、ビデオのスローモーション比較によって初めてズレに気づくと思うのですが、そういう外部の力に頼ることなく、自分の力だけで微妙なズレに気付き修復することは難しいと思うんですよね。

そしてどんな名選手であっても「フォーム崩れ」が発生するということは、むしろ「同じフォームを長く使えば使うほどズレが生じやすい」と言った方がいいかもしれません。

日々地道な練習を欠かさないことが名選手になる条件だからです。

楽器

使えば使うほどズレが発生すると言えば、楽器もそうです。

シンセサイザー以外のアコースティックな楽器は演奏の直前に「調律(チューニング)」を行います。

音の高さは数値で表すと周波数のヘルツ(Hz)を使いますが、例えば「ラ」の音は440ヘルツと決まっていて、調律とはそれぞれの音を正しい数値に合わせることを意味します。

しかし、長く演奏すればするほど、楽器が熱や湿気や振動などの影響を受け、必ず音がズレていくんです。

数値で言えば「437←440→444」のように低くなったり高くなったりするんですね。

違う楽器と一緒に演奏していれば、音のズレが僅かであっても気づきやすいのですが、1人で演奏している場合は中々ズレに気づきにくかったりします。(いわゆる耳がいいとか、絶対音感を持ってれば話は別ですが)

もっと身近な例で言えば衣類もそうですよね。

着れば着るほど、洗濯をすればするほど、最初に付いていた綺麗な型は徐々に崩れ、色も褪せていきます。

普段着として普通に着ている分には大きな変化は感じないのですが、新品の同じ服と並べるとその変化に唖然となります。

人の性格もこれらの例と同じように、基本の型を使えば使うほど、その特性がゆっくりと微妙に崩れていきます。

変化を察知するアンテナは常に自分の外に向いており、しかもゆっくり変化は進むので、意識的に内なる変化を認識するのは大変難しいのです。

上の3つの例も、ズレたモノと正常なモノの比較や専門家の指摘によって、ようやくズレに気付けるというのが実情ですが、幸いその機会を確保すること自体は難しくありません。

しかし性格タイプにおいては、そもそもタイプ判定は簡単ではありませんし、同じタイプの人が身近にいるかどうかはぶっちゃけ運次第です。

ましてやエニアグラムを知っている人は世間では殆どいないのですから、自分のタイプと同じタイプの人を並べて比較することは現実的には無理なんですね。

何度も言うように、人の性格(基本タイプ)とは厳しい生存競争を勝ち抜く為にあります。

厳しさの点では先ほどのプロスポーツ選手と変わりなく、タイプの僅かなズレを放置すればいずれは窮地に陥るワケですから、そんな状態は困るワケです。

でも人の生き抜こうとする意志はやっぱり凄いモノでして、そんな時は再び「必要は発明の母」が機能して解決策を見つけ出すのです。

それが「矢印双方向へのタイプ移行による基本タイプの調律(修復)機能」なんです。

2つの矢印タイプは基本タイプが持つ根源的な特性の土台になっている

Foundation

基本タイプの型崩れを元に戻すには矢印のタイプに、しかも双方向に進まなければならない。

矢印の適応機能もそうでしたが、この調律(修復)機能もやはり一見矛盾を抱えているように見えます。

しかし何故それでOKなのかというと、

2つの矢印タイプの特性は基本タイプが持つ根源的な特性の土台になっている

からです。

物事はなんでもそうですが、基本や土台がしっかりしていないと、その上に乗っているモノも不安定になります。

これは木造住宅のシロアリ被害に例えると分かりやすいと思います。

シロアリは目に見えない床下の土台部分を時間をかけて侵食するので、その存在になかなか気付けません。

でも土台の侵食が進めば、歩く度に床がブカブカと動くとか、柱が傾いてきたりとか床上にも被害が出てくるんですね。

そのまま放置すれば最悪地震によって建物が倒壊しかねないので、通常はシロアリの駆除を行った上で、土台部分の交換や修復を行ったりします。

これと同じで、「基本タイプの土台=2つの矢印タイプの特性」と認識することは通常殆どありません。

2つの矢印タイプ特性は心の奥深く、内面の深い部分で機能しているモノだからです。

だからこそ、それらの特性が弱まった場合中々気付けないのですが、土台が弱まればその上に乗っかっている基本タイプ特性もいずれ弱まってきます。

そうなると本能や無意識がそれを察知し、弱まった矢印特性を回復する為に矢印タイプへの移行を促す。

そこで弱まり足りなくなった特性の補充を済まして基本タイプに帰還し、ようやく基本タイプの特性を発揮できる、という流れです。

これは言い方を換えると

鍵となる矢印双方向のタイプ特性が2つ共揃わないと基本タイプ特性を最大限活用しにくい

ということであり、もっと言ってしまえば、

基本タイプの型崩れは2つの矢印タイプ特性が弱まった結果引き起こされることが多い

ということです。

以上が矢印による「調律(修復)機能」の概要になります。

タイプ2の実例

Care

概要だけ伝えても抽象的ですし、信ぴょう性も無いので例によって以下某タイプ2さんの実例です。

タイプ2の特性は「人を助ける・何かを与える」という世話焼きなオカン体質ですが、本心というか本能はちゃんと見返りを求めています。

物事を公平に見れるなら、別にそれは恥じるようなことではなく、何の問題もありません。(もしあったとしたらそれは専業主婦や人の世話をする人の全否定になってしまいます)

但し世話を焼いたからといって、常に期待する程の見返りがかえってくるとは限らない、そこが弱点と言えば弱点です。

通常、人は心理学でいう「返報性の法則」、すなわち「スーパーの試食コーナーで一口食べたら買わないといけない気になる」が働くのですが、中にはそれが通用しない人や、そもそも受け取ってくれない人もいるワケでして。

それでもトータルで考えれば、たとえ時差があったとしても、ちゃんと見返りが見込めるからこそタイプ2は生きていけるし、食品メーカーは人を雇ってまで試食を勧めるのです(笑)。

ただ運悪く、いくら与えても見返りの無いことが続いた場合、さすがに「自分の戦略や軸が間違っているのでは?」という迷いが生まれます。

特にこの場合は環境の変化というよりは、運やタイミング、矛先が間違っているといった問題なので、客観的に見ればそれらの問題に少しだけ対応した上でその戦略を使い続けた方がいいんですね。

どう足掻いたって自分が選んだ基本戦略は変えられないし、他の戦略を採用したところで付け焼き刃以上にはならないからです。

で、こんな時は腹をくくるというか、もう少し踏ん張って自分の戦略を貫くべきなのですが、ここで2つの矢印タイプの特性が弱まっていると、その踏ん張りが段々効かなくなります。

その結果、助けたり与えることをやめてしまう・・・これが基本タイプが型崩れを起こしている状態です。

そんなとき、タイプ2にとって必要なのは矢印正方向のタイプ8の特性です。

それは必要とあらば「ボス」として「力」を前面に出してその場を支配できるという自信とか、弱き者を守ろうとする責任感です。

そして矢印逆方向のタイプ4的な「優越感」も必要になります。

これは自分が特別な存在だからこそ、それなりの人には理解してもらえて見返りがもらえるとか、特別な存在だからこそ他者に与え続けることができるという自信です。

又、タイプ4が持つ「遊離(距離を置く)」という特性も、「いざとなれば距離を取って自分を守れる」という点で、先に与えることの担保になっています。

まぁ、ぶっちゃけ、どちらも根拠のない自信や責任感ではあります(苦笑)。

ですが、もともとこの2つの矢印タイプの特性が合わさった、かなりアクの強い土台があればこそ、タイプ2は気前よく他者を助け、何かを与えることができていたのです。

逆に言えば、これら2つの矢印タイプの特性が弱まっていたことで、自分の軸や戦略の「キレ」がなくなり、それで上手く行かなかった可能性もあるのです。

そして多くの場合、土台となる矢印特性と基本タイプ特性はゆっくりと弱まっていくので、当人はその「内なる変化」に中々気付けないのです。

だからそういうスランプ状態=基本タイプの型崩れを回復しようとするなら、速やかに2つの矢印タイプに移行して、特性を補充してくる必要があります。

ただこういう場合、特別なことをしなくても本能がちゃんと基本タイプの弱まりを察知し、矢印タイプへの移行を促してくれるんで、素直にその勢いに乗ることが解決策になります。

矢印の調律(修復)機能は、適応機能と同じく、意識的というよりは無意識下で誰にでも働く生存本能だからです。

もちろんエニアを知った後は意識的に進んでもOKです。

で、その後はちゃんと基本タイプに帰還してその本来の特性を充分に発揮してめでたしめでたし・・・という流れですね。

まぁここだけの話し、タイプ2は「ええかっこしー」なんで、まさか自分の言動が「力(タイプ8)」と「優越感(タイプ4)」に裏打ちされているなんてホントは認めたくないのですが、真摯(=イヤイヤ)に内面を見つめれば2つの土台を認めざるを得なかったりします(苦笑)。

実際、今年は2回ほど矢印双方向への移行による基本タイプの修復を実感しています(汗)。

こんな感じで他のタイプも同じように、2つの矢印タイプに移行することで基本タイプを修復していると考えてください。


長くなったので今回はここまで。

次回は、矢印の調律(修復)機能の根拠である「弁証法」と「何故人は矢印正方向に進みやすいのか」について解説する予定です。

それではまた。

URL :
TRACKBACK URL :

コメントをどうぞ

*
*
* (公開されません)

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Return Top