リバースエニアグラム

エニアグラム矢印考察第18回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(中編)_根拠はエニア=弁証法」

エニアグラム矢印考察第18回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(中編)_根拠はエニア=弁証法」

リバエニの篠田工治です。

今回はエニアグラムの矢印考察第18回目です。

矢印考察一覧

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前回は、矢印のもう一つの機能である調律(修復)機能の概要についてお伝えしました。

  • 同じ型を使い続けると、いずれその型が微妙にズレて上手く行かなくなる
  • そのズレは環境の変化と違って、ゆっくりと内面で進むために気づきにくい
  • 実は両矢印タイプの特性は基本タイプの土台であり、基本タイプ特性を発揮させる鍵になっている
  • だから両矢印のタイプ特性が弱くなると基本タイプのパワーも弱まるし、踏ん張りもきかない「型崩れ」状態になる
  • 調律(修復)機能とは、両矢印のタイプに移行することで、気づきにくい基本タイプの型崩れを元に戻そうとする生存本能
  • 両矢印のタイプに進んで、その特性を補充することで型崩れを修復できる

こんな感じでしたね。

エニアグラム矢印考察第17回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(前編)_2つの矢印タイプは基本タイプの土台」エニアグラム矢印考察第17回「型崩れに対する『調律(修復)』機能(前編)_2つの矢印タイプは基本タイプの土台」

矢印考察の予定

  1. シンボル図全体を眺めて感じたこと・・・
  2. 矢印の本質と「型」を持つことの意味・・・
  3. 篠田が考える矢印解釈
    1. 大前提「性格タイプは基本タイプを中心にして矢印双方向のタイプに頻繁に行き来する」・・・
    2. 矢印が生まれた理由=「環境変化」と「型崩れ」・・・
    3. 機能その1_環境変化(外的変化)に対する「適応」(前編)・・・
      型と柔軟性のいいとこ取り(中編)・・・
      なんでも1人でする必要はない(後編)・・・
    4. 機能その2_型崩れ(内的変化)に対する「調律」(前編)2つの矢印タイプは基本タイプの土台・・・
      根拠はエニア=弁証法(中編)・・・今回はココ
  4. 他の矢印解釈に対する意見
  5. 独自解釈に至った理由
  6. リバエニは何を目指すのか?誰の為のエニアなのか?

さて、今回は矢印の適応機能と調律機能の根拠についてのお話ですが、ボリュームが多いのでしっかり時間を確保してからご覧いただけると幸いです。

リバエニ的矢印解釈の3つの根拠

聞く

これまで数回に渡り矢印が持つ機能についてお伝えしてきました。

型と柔軟性のいいとこ取りである「適応機能」と、弱まった基本タイプを回復する「調律(修復)機能」。

前者は環境の変化という「外なる変化」に対して、後者は基本タイプの型崩れという「内なる変化」に対して作用しますが、いずれにせよ矢印とは「変化」に対する生存本能のなせる技、それが私の一番言いたいことだったりします。

実は単なる適応機能としては、既存のエニア会派でそのことに触れている所もあるのですが、

「他者との協力関係」という進化的なサブシステムがあって初めて適応は機能する

とまで突っ込んだ主張はこれまで無かったと思います。

ましてや、

矢印双方向タイプの特性が基本タイプの土台になっている

とか、

矢印タイプへの移行が逆に基本タイプを強化したり回復する

という発想は、彼らの常識からしてありえないというか、多分今後も出てくることはないでしょう。

既存会派は程度の差はあれど「矢印正方向=悪、逆方向=善」という2元論をベースに矢印を解釈しているからです。

でもホントのことを言えば、心理学や神秘やスピリチュアルの専門家でもない私が、こういった異説を主張するというのは内心「ガクガクプルプル」だったりします(汗)。

それでもあえて自説をお伝えしたのは、それが正しいと信じられるだけの根拠が3つあったからです。

1つ目は自分自身の目、観察眼というか心の声です。

本に書いてあることや通説を鵜呑みにできればこれだけ思い悩むことはなかったのですが、自分の目や耳で見聞きし、実際に人に会って感じてきたことと既存の矢印解釈を結び着けることはどうしてもできませんでした。

先入観を外し「心の声」に耳を傾けた結果、一連の矢印解釈になったワケです。

頭や意識の外から聞こえる心の声って奴は、実は自らを助くる声でして。

後から思い返せばその声に従わなかった時こそあんまり上手くいっていない(苦笑)。

論理や知識を蔑ろにするわけではありませんが、流石に四十を超えると「体感や直感(直観)も同じくらい正しく、使える」というのが実感としてあります。

自説が正しいと思える2つ目の根拠は、基本タイプを中心にした例のハブ構造です。

シンボル図頂点ハブ図 文字なし

このハブ構造に注目すればこそ、タイプ間のレールの存在や「シンボル図=9つのハブ構造の円状結合」に気づけるワケです。

ハブ構造の円状結合 その2

特に調律(修復)機能で重要なのは「ハブ構造=人の形」、すなわち基本タイプを頭、両ウィングのタイプを両手、両矢印を両足に見立てれば、人の形をしているという点です。

エニアシンボル図人型図

その形に意味があるとしたら、エニアグラムを語る上で一番大事なことは「ハブ構造の頭に位置する基本タイプをいかに活用していくか?」ってことになります。

そして両足に位置する矢印のタイプは、どちらの方向であっても共に基本タイプを下から支える役割を担う。

そう解釈した方が自然なんです。

これもシンボル図を見て自由に感じたことをそのまま矢印解釈に採り入れました。

3つ目の根拠は、もちろんこれが本命ですが、私は矢印の解釈に哲学でいう弁証法を採り入れているからです。

弁証法の根本原理

使える 弁証法

高卒で学力は中学生以下の私が哲学を解説するなんて、ちゃんちゃらおかしいのですが、ここからは私が尊敬する田坂広志先生の「使える弁証法」という本を参考にしながら話を進めていきます。

まず弁証法とは何なのか?

哲学者ゲオルグ・ヘーゲルの思想。人類が生み出した哲学の中でも最高峰と称される思想

ホントは哲学とはなんぞや?ってところから始めるべきかもしれませんが、それはどう考えても私の手にあまるので、ここは単純に「人が生きていくのに必要な智慧」ってことにしておきます。

で、弁証法とは人類最高峰の智慧ってことなんですね。

田坂先生によれば、この弁証法の考え方をマスターすれば

  • 世の中の変化の本質が分かる「洞察力
  • 世の中の変化の未来が見える「予見力
  • 対話するだけで自然に思考が深まっていく「対話力」

という力が身に付くのだそうです。

このあたり、前回お伝えした神秘主義的エニアグラムが持つ「宇宙や生命の進化や発展」というテーマと比べても遜色ないというか、どちらも「なんかすごいことを言ってるんだ」というのが分かっていただければOKです。

次に弁証法の基本ですが、それは

「正(テーゼ)」「反(アンチテーゼ)」「合(ジンテーゼ)」というプロセスで思考は深まる

ってことです。

テーゼとかジンとか言われても「?」ですが、これは

  1. まず最初に一つの主張や立場がある
  2. 次にそれとは正反対、いわゆるアンチの主張や立場が生まれる
  3. 対話によって2つの主張や立場が統合され、止揚して更に深い理解に到達する

という順番で物事や対話は進むという意味です。

但し、これでは弁証法が思考とか対話に限定したツールみたいですし、足りない点もあるので、以下少し色を着けてみます。

まず物事の始まりは常に何か一つの主張から始まります。それが「正=テーゼ」と呼ばれるモノです。

通常その主張には何らかの意義やメリットがあるので、それが多くに受け入れられる内容なら、その声はドンドン大きくなります。

しかしその反面、何事にもデメリットは存在するので、その主張が大きくなればなるほど抱えるデメリットも又、大きくなるんですね。

そうなるといずれはそのデメリットを嫌う立場から正反対、対極の主張が生まれてくるのです。

これが「反=アンチテーゼ」と呼ばれるモノです。

まぁ、アンチという言葉は普段使われているから分かりますよね。

で、このアンチテーゼはいわゆる「満を持して登場した対抗馬」みたいな存在なので、今度はアンチの主張が受け入れられてドンドン大きくなっていきます。

もちろんそれは最初の主張が下火になり、劣勢になることを意味します。

でも世の中には完璧なモノは無いので、当然アンチテーゼも何らかのデメリットを抱えているのです。

だからそのうちアンチテーゼのデメリットも大きくなって、今度は「やっぱり最初の主張も良かったなぁ」なんてことになるワケです。

まぁ、勝手というか随分虫のいい話なのですが、いずれは2つの相反する主張が「あちらを立てればこちらが立たず」という矛盾した状態に陥ります。

これが「対話」ですね。

対話というと穏やかな感じがしますが、実際は葛藤と言った方がいいでしょう。

しかし世の中面白いもので、暫くすると矛盾した両者の主張が段々交わって、最終的には統合、すなわち「いいとこ取り」をした状態に落ち着くんです。

これが「合=ジンテーゼ」と呼ばれる状態です。

ここで重要なのは、そのジンテーゼが単に両者の「いいとこ取り」に留まらず、必ず「質的な変化=進化」を伴うことにあります。

それが「止揚」という聞き慣れない言葉の意味なんですね。

  1. まず最初に一つの主張や立場がある
  2. 次にそれとは正反対、いわゆるアンチの主張や立場が生まれる
  3. 対話によって2つの主張や立場が統合され、止揚して更に深い理解に到達する

こんな感じで対話や思考、もっと言えば全ての物事は段階的に進んでいく、というのが人類の叡智である弁証法の基本原理です。

矢印の適応機能は、そのまんま弁証法

矛盾

ここ数回の矢印考察をしっかり読んでいただいた方なら、もう分かりますよね。

矢印を含むタイプ移行(ダイナミクス)の適応機能は完全にこの弁証法の流れになっています。

最初の主張(テーゼ)というのは、人が生き抜く為に最も有用なのは言動や思考の「型=基本タイプ」を一つだけ持ち、活用することです。

そしてアンチの主張は、いずれは起こる環境の変化に対処する為、「柔軟性」を発揮して他の「型」へと移行することです。

「型」を重視すれば環境の変化に対応できず、「柔軟性」に頼りすぎれば心身への負担や「型」の習熟に必要な場数が足りなくてパワーが出ない。

いずれは「あちらを立てればこちらが立たず」という矛盾した状態になるんでしたね。

そこで生まれたのが双方のいいとこ取りである、「残り半分の4つに限定したタイプ移行」でした。

しかしこの状態だと、変化後の環境に最適なタイプが、除外されたタイプだった場合に困ってしまう。

だから「他者との協力関係」を持ち出すことによって、除外されたタイプの穴を塞ぐことにしたのです。

その結果、性格タイプの持つ「個々が生き抜く」という目的が「個々を含む共同体が生き抜く」という目的に進化しました。

それが共同体への帰属を生み、相互扶助という力を得て人間はより生き延びやすくなったのです。

これがシンボル図上の「円」が示す「全体、調和、協調」というテーマです。

前回はこのことを「生命の進化」とお伝えしましたが、これは「型」と「柔軟性」の矛盾が「他者との協力関係」という「生命の止揚」を生み出した、そういう言い方もできると思います。

この「矛盾」による「止揚」について、田坂先生は

「矛盾」とは物事の発展の原動力である。
すなわち、世の中の物事が発展し、進歩し、進化していくのは、その物事の中に「矛盾」があるからだ。
その「矛盾」こそが、物事の発展の「原動力」であり、物事を変化させ、発展させ、進歩させ、進化させていく「生命力」に他ならない。

と言っています。

このように矢印の適応機能は弁証法の基本的な原理になぞらえることができるんです。

矢印の適応機能はそのまんま弁証法、そう言ってもいいでしょう。

エニアグラム=弁証法

神秘

次に調律(修復)機能の根拠についてですが、こちらも弁証法になぞらえることができます。

但し適応機能と比べて物凄くやっかいというか、幾つかの論点を順にお伝えする必要があります。

で、最初の論点ですがそれは「エニアグラム=弁証法」ってことです。

サラッと書きましたが、ここは驚くところです・・・ってタイトルに書いてあるか(苦笑)。

前回、エニアグラムは神秘的な「宇宙や生命進化発展」の象徴、シンボルとして扱われていたとお伝えしました。

そのエニアグラムを初めて世に出したのが神秘家グルジェフ氏で、同氏が創設したのが「人間調和発展研究所」です。

そして弁証法における先ほどの田坂先生の言葉は「止揚という進化発展を生み出す為には、矛盾の融合という原動力、生命力が必要となる」と言い換えることができます。

この時点で両者のキーワードは殆ど同じなのですから、「エニア=弁証法」という解釈は当たり前というか、控えめに言っても関連性があることは納得していただけると思います。

但しこれだけでは信ぴょう性も低いので、シンボル図の解釈の通説を複数のエニア書籍を元に簡単にまとめてみます。

(ドンリチャードリソ氏、クラウディオナランホ氏、ヘレンパーマー氏、前田樹子氏などの書籍を参考にしました)

正三角形=3の法則=1÷3=0.3333….
森羅万象、全ての物事の発生(誕生、生成、創造)に必要な3つの力の存在、結合、相互作用、バランスを示す
3つの力=「能動、受動、融合」「肯定、否定、中和(和解)」
性格タイプとしては3の倍数であるタイプ3、6、9を示す
変六角形=7の法則=1÷7=0.142857142857….
1. 時間の経過によって
2. 物事が段階的(連続的、プロセス的)に
3. 永続的(循環的、持続的)に
4. 進化する(成長、発展、進行、運動、移動)ことを示す
性格タイプとしてはタイプ1、2、4、5、7、8を示す
一体性、全体性、調和、協調、宇宙、生命などを示す
性格タイプとしては9つの全タイプを示す

エニアグラムシンボル図構成図

例によって正三角形、変六角形、円の3つの要素でシンボル図が成り立っていますが、よくよく見ればこの図は「正三角形(テーゼ)+変六角形(アンチテーゼ)=円(ジンテーゼ)」と解釈することができます。

正三角形が示す3つの力である「肯定、否定、中和」も言葉使いの違いはあっても、その本質は弁証法の「正(テーゼ)、反(アンチテーゼ)、合(ジンテーゼ)」と同じなんですね。

計算式(?)で表すと「プラス(+)+マイナス(-)=プラスマイナス(±)」と言えばいいでしょうか。

弁証法のジンテーゼは、テーゼとアンチ双方の要素を含んではいても、質的な変化を果たしているですから別物として扱うべきです。

その意味では弁証法も3つの力(極)が存在し、互いに結びついている点で3の法則(正三角形)と全く同じなんです。

変六角形が示すのは要するに進化性であり、物事は段階的プロセス的に進んでいくってことなのですが、これは先ほどお伝えした弁証法の

「正(テーゼ)」「反(アンチテーゼ)」「合(ジンテーゼ)」というプロセスで思考は深まる

の「プロセス(段階を踏んで)」に対応しています。

又、弁証法の「対話によって2つの主張が交わる=融合」もシンボル図の円が示す「一体性、全体性、調和、協調」と本質的に意味は同じです。

シンボル図の3つの要素を組み合わせれば

物事は全て「プラス(+)・マイナス(-)・プラスマイナス(±)」という3つの極の相互作用によって生まれ、それぞれの極が順に大きくなることで、宇宙全体は永続的に発展していく

という意味にもなります。

こんなことから、私は「エニアグラム(のシンボル図)=弁証法」だと解釈しています。

興味が無いので単純化しますが、そもそも神秘ってのは「神がかった叡智」であり、神秘主義とはその叡智の探求を意味すると思うんです。

ならば「人類最高峰の智慧と称される弁証法」と「元々は神秘主義から生まれたエニア」が全く同じだったとしても違和感はないし、むしろ当たり前な気がします。

古今東西に渡って通用する真理や叡智って奴はそんなに多くないと思うので。(沢山あったら有り難みがないとも)

矢印の並び=性格タイプの過去現在未来という進化プロセス

Process

「エニア=弁証法」が分かれば、次は「矢印の並び=性格タイプの進化プロセス」という論点です。

弁証法にしろ、図の正三角形にしろ、変六角形にしろ、共通するのは「時間の経過により物事は段階的プロセス的に進む、進化する」ってことです。

ならば、図の正三角形と変六角形を形作る

  • 正三角形=タイプ3←→6←→9←→3
  • 変六角形=タイプ1←→7←→5←→8←→2←→4←→1

というタイプの並びは、素直に「性格タイプが進化してきた順番」もしくは「成り立ちのプロセス(過程)」と解釈するのが自然です。

ここで大事なことは4つあります。

1つ目はタイプの並びに優劣は無いということです。

例えばタイプ3の進化形がタイプ6だとしても、両者に優劣の差はないのです。

それは図の解釈の回でお伝えしたとおり、全てのタイプは半径を同じくする円周上に配置され、それは円卓会議を意味します。

個人的な好き嫌いはあったとしても、それぞれのタイプは等しく素晴らしく、不可欠な存在だと認識すべきです。

ただ現実にはどうしても進化という言葉には「いいこと、善」というイメージを、退化とか進化前という言葉には逆のイメージを連想しがちです。

ですが、ここはそういう見方ではなくプロセスという点を重視して欲しいと思います。

例えば工場で製品を作る工程が9つあるとしたら、それぞれの工程と順番には全て意味があり、どの工程が欠けても製品は完成しませんよね。それと同じことです。

2つ目に大事なことは、矢印が「性格タイプが進化してきた順番」だとして、どちらの方向が進化の方向になるかです。

実はこの点については、ハッキリとした根拠が見つからなくて私も困っています(汗)。

変六角形のタイプ群においては「1÷7=0.142857142857…」という明確な順番(矢印正方向ののことね)があるのですが、これが進化の順番かというと、そうとは言えません。

正三角形のタイプ群(3、6、9)については手がかりすら見つかりません。

ただ、殆どのエニア会派は矢印の逆方向が「善」で正方向を「悪」と解釈しますし、繰り返しになりますが多くの人は「進化=善・退化=悪」と認識しがちです。

ですからここは、矢印に「善悪」を付することには全く同意できませんが、

  • 矢印正方向(3→9→6→3、1→4→2→8→5→7→1)=進化前のタイプに進むこと
  • 矢印逆方向(3→6→9→3、1→7→5→8→2→4→1)=進化後のタイプに進むこと

という点については私も通説の立場を採ろうと思います。

3つ目に大事なのは、俯瞰視点ではなく一人称視点で矢印タイプを見るべきってことです。

言うまでないかもしれませんが、エニアグラムを学ぶ上で大事なことは、自分はどの基本タイプなのか、言い換えれば、自分自身をシンボル図上のどの頂点に配置するかですよね。

だから矢印という論点を考える際は、床に描かれたシンボル図の基本タイプの場所に立ち、そこから両矢印の方角を眺めるような感覚が必要なのです。

これは「図を上から見た俯瞰(ふかん)視点」ではなく、3Dのビデオゲームでよく使われる「一人称視点」で移行先のタイプを見るということです。

俯瞰視点と一人称視点

そういえば矢印考察第12回で紹介したグルジェフ氏のダンス、あれもエニアのシンボル図上の頂点を実際に人が移動していましたが、1人の踊り手にフォーカスすれば一人称視点ですよね。

(開始後6:10以降を参照のこと)

4つ目に大事なのは「基本タイプ=今現在のタイプ」ってことです。

「矢印=進化」であり、進化とは「時間の経過による段階的な変化」を意味するのですから、実は矢印を扱う際には「時間軸=過去・現在・未来」を各タイプに当てはめる必要があります。

そうするとこれまでの話をまとめると必然的に

  • 矢印正方向のタイプ=進化前のタイプ=過去のタイプ
  • 矢印逆方向のタイプ=進化後のタイプ=未来のタイプ

ということになります。

しかし矢印を俯瞰視点で考えると図には「循環性」や「永続性」という意味も含まれているので、タイプは常に進化し続けることになります。

すると「進化前=過去」と「進化後=未来」の連鎖だけになって「今現在」を割り当てることができなくなるのです。

俯瞰視点では今現在が区分できない

でも一人称視点を使えば、基本タイプは進化前と進化後のタイプに挟まれた「起点・中間点」なのですから、そこに過去と未来に挟まれた時間である「今現在」を当てはめることができます。

一人称視点だと今現在を当てはめることができる

例えばタイプ3が自分の基本タイプなら

  • 基本タイプ3=今現在のタイプ
  • 矢印正方向はタイプ9=進化前のタイプ=過去のタイプ
  • 矢印逆方向はタイプ6=進化後のタイプ=未来のタイプ

こういう関係になるのです。


ホントはこのまま続けたいのですが、長くなりすぎるので一旦切ります。

弁証法を矢印の適応と調律(修復)機能の根拠とするために、順を追っていろいろ書いてきましたが、ここまでをまとめると

  • 適応機能は弁証法の基本原理そのまんま
  • エニアグラム=弁証法
  • 矢印=性格タイプが進化してきた順番
    • 進化前のタイプと進化後のタイプとの間に優劣の差は無い
    • 俯瞰視点ではなく一人称視点で矢印を考えるべき
    • 一人称視点を使えば次のように定義できる
      • 基本タイプ=今現在のタイプ
      • 矢印正方向のタイプ=進化前のタイプ=過去のタイプ
      • 矢印逆方向のタイプ=進化後のタイプ=未来のタイプ

こんな感じです。

次回は上記内容を踏まえ、弁証法における一番大事な法則と矢印正方向に進みやすい理由などについてお伝えする予定です。

それではまた。

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  1. 銀河の雫☆彡

    鈴木秀子著「九つの性格」PHP文庫
    229ページより引用⇒

    “それぞれのタイプは、矢印の方向のタイプにも頻繁に
    行こうとする。エニアグラムでは、本来のタイプにいるときも、
    矢印の方向へ行くときも、矢印と反対の方向へ行くときも、
    常にそのよい面が出ることを理想としている”

    エニアグラムでは、
    正逆どちらの矢印に行ったとしても、
    “そのタイプのよい面が出ることが理想”だとしていますから、
    どちらの方向に行ったとしても、それなりに、
    良い面はあるということなのでしょうね。

    その結果として、今回の篠田さんの記事のように、
    双方がこのような状態に落ち着けたら理想的だと思いました。
    >最終的には統合、すなわち「いいとこ取り」をした状態に落ち着く
    >必ず「質的な変化=進化」を伴う

    もっとも、
    どちらの方向に進んでも良い面があるということは、
    どちらの方向に進んだとしても、
    同じだけ悪い面も^^;あるのかもしれません。

    その場合は、最悪こうなることもあり得る気がしました⇒
    >最終的には統合、すなわち「悪いとこ取り」をした状態に落ち着く
    >必ず「質的な暗黒の変化=ダーク進化」を伴う
    悪の化身、進化する悪(何となくカッコいい響きが…♪)

    でも良い面とか長所って一般にその人の属する社会、
    集団、組織にとっての良い面、長所であることが多い感じ。
    悪い面も同じく、
    特定の社会・集団・組織から見た悪であり短所ですよね。

    ある社会・集団にとっては望ましくないと思われるような素質も、
    他の社会・集団から見たり、その人だけに焦点を当ててみれば、
    実は素晴らしい長所、美点だったりもします。
    「ダーウィンは正しかった、恐怖(恐がり)は人の強み」
    ttp://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/141105_1.html
    「ADHDの人はアイデア豊富、天才と呼ばれる人も多い。
    芸術、研究、独創的な仕事では才能をいかんなく発揮」
    ttp://www.zakzak.co.jp/health/disease/news/20140424/dss1404240830001-n1.htm

    なので、人からみて更に悪化しているように感じられたとしても、
    本人は真のエニア・ニュータイプとして、
    正しく統合進化しているのかもしれないとも思いました。

    • コメントありがとうございます。
      そしていつも先読みをしていただきありがとうございます(笑)。
      銀河の雫☆彡さんのおっしゃるとおり、結局善悪やメリット・デメリットというのは、その場その場の環境や帰属社会次第でどうにでも転ぶモノであり、すべては文脈次第なんです。
      自分の言動や生きてきた道程を「長い物語」として捉えた場合、悪は必要悪であったり浄化のプロセスだったりするワケです。善は停滞やヤセガマンを意味することも。
      そして既存エニアでよく言われる精神の健全度や安定度って奴は、自分の根源的な欲求を満たさない限り上がることはないのです。
      欲求とは最も本質的な生きる力、進化する力だからです。
      その意味で自我や我欲の放棄は自傷的自滅的な行為だと私は思っているのです。
      そして人は性格は変えられないけど、文脈を変える力は持っています。
      文脈の変更は多くの場合、葛藤や軋轢とか痛みを伴うので、平穏や平静を良しとするなら取り組む必要はないと思います。
      でもクリムトの絵ではありませんが「人生は戦い」という側面を誰しも持っているワケでして。
      ならば自分の欲求と役割を活かせるように、生き方の文脈を変えていくことが大事なんじゃないかと思うのです。

  2. 銀河の雫☆彡

    >「進化=善・退化=悪」
    科学・工業技術の視点で見れば、(正)現在の世界は「進化=善」
    だと思いますが、でも、、
    地球環境の視点から見れば(反)「退化=悪」かもしれません。
    でも昭和の公害天国の時代からみれば、少なくとも日本は、
    環境的にも(合)「(環境)科学の進化=善」に近づきつつありますね。

    >欲求とは最も本質的な生きる力、進化する力だからです。
    >その意味で自我や我欲の放棄は自傷的自滅的な行為だと私は思っているのです。

    そうですね。
    感情も欲求の一つで、感情を抑えていると
    だんだん元気が無くなってきます。
    例えば、タイプ1の人が一見温厚で穏やかにみえるのは、
    感情(怒り)を抑えているからです。
    怒りという感情は大脳辺縁系といって最も動物的・本能的な
    ヶ所から発生する感情で、それを抑え続けると事は、
    生物的な活力を損なう行動です。
    なので我慢してもいずれは爆発します。
    定期的に怒る(本能に還る、時間旅行・タイムワープ)ことで、
    生物としての活力を取り戻す(生物としての型崩れの修正)のでしょう。
    タイプ8のパワーの源泉も怒り(=本能)です。
    タイプ5も感情抑制タイプで一見冷静クールです。
    タイプ5は精神医学の内閉性格に相当するとされます。
    このタイプも冷静で思考的な性格と、
    やや神経質で怒りっぽい性質の両面を併せもっていたり。
    時々キレて怒りっぽい態度(退化・本能回帰)を示すことで、
    理性(進化)とのバランスをかろうじてとっているみたいな。
    厳密には感情を、動物的・本能的な情動(大脳辺縁系/古い皮質)と、
    より人間的な感情である情緒的な感情(右半球新皮質)とで区別します。
    エニアの感情センターは、動物的・本能的な情動反応というより、
    後者の人間的な情緒反応でしょうね。

    心の問題を抱える人は、人に対して怒れない人、
    悪いことの出来ない人、いわゆるいい人が多いのです。
    篠田さんの仰るとおり、
    自分の欲求をうまく出せないことで弱っているみたいな。
    心理療法は、その欲求を満たすための方法論だったりもします。

    >そして人は性格は変えられないけど、文脈を変える力は持っています。
    >自分の欲求と役割を活かせるように、
    >生き方の文脈を変えていくことが大事なんじゃないかと思うのです。

    生き方の文脈を変えていくことを、
    心理療法では、「人生の脚本を変える」と表現しています。
    なので、篠田さんの主張は学問的にも正しい感じ(。・∀・。)♪

  3. 「変六角形=7の法則=1÷7=0.142857142857….」について、3の倍数以外の数字が小数点以下に含まれていることに驚きました。
    しかし、「変六角形=1÷7」なのはなぜですか?
    僕なら角の数に合わせて1÷6にしたいところなのですが。

    • 質問に対する正しい答えは私もよく分かりません。
      どうしても知りたければ神秘や秘教の書籍や専門家にあたると良いと思います。
      あくまで想像ですが、十進法の数字はゼロを除けば1から9までの数字ですから、それを円周上に等間隔に配置することで「全て」を表したいという要望が先にあったのだと思います。
      そして本文中にもあるとおり、3つの力の均衡=正三角形という考え方は古今東西に見られる考え方で、数字と幾何学図形が好きな人であれば、円に正三角形を配置してみようと考えるのは自然だと思うんですよね。
      そうすると残りの数字は6個になります。
      その数字を見て誰かが「これって1÷7=0.142857142857…と同じじゃん!」って気付いたんでしょうね。
      で、その数字の並びを一筆書きでなぞってみたら左右対称の不思議なシンボル図が出来上がったと。
      ではその意味はなんだろう?というのがエニアグラムの始まりだと思っています。
      だから「なぜ1÷6じゃないの?」と聞かれても「それだと3の倍数以外の数字を網羅できないから」としか言いようが無いんですよね。
      弁証法的に3つの図形が融合した図にしたいという要望もあったと思われるので、そうすると六角形にせざるを得なかったのではないでしょうか。
      残念ながらこの手の話は理由を考えてもしょうがない事が多く、専門家に聞いても「そういうものだから・そうと決まっているから」で終わってしまう気がします。
      もし正しい答えが分かったら教えていただけると幸いです。

  4. つまり、公式の成り立ちを説明することの無意味さに近いということでしょうか。数学がめっぽう苦手な僕は、公式を使って問題を解くことよりも公式という理解し難いものが前提として存在していることが気持ち悪かったです。つまり、自分で根拠を理解できないものを使うことの不安です。そんなことを言ってしまうと、この世のあらゆることの根拠を理解せずにはいられなくなってしまいますもんね・・・
    この件に関しては追究するのではなく、受け止めることにします。
    返信ありがとうございました。

    • 答えが見つからないことでも、「何故?」と問い続けることには意味があると思います。
      ただ見つからなかった場合に、どうするかでしょうね。
      もちろん人それぞれなのですが、私の場合はどんな屁理屈でも間違いでもいいから、自分が知っていることに無理やり置き換えることにしています(笑)。
      あとは、何故その答えが知りたいのか、自分の心にある動機とか欲求って奴をハッキリさせるといいかもしれません。
      そうすれば、その疑問がどうしても追求しなければならないことなのか、それとも放っておけばよいことなのかが分かると思うので。

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