リバースエニアグラム

他者の性格を変えることは可能か?

前回お伝えしたのは・・・

  • 「性格=タイプ+α(選択)」
  • タイプは変わらない
  • 行動の選択を変えることで性格は変えることができる
  • タイプが変わらないのは行動や考えをパターン化することで生き延びる為に必要な次の3つを節約できるから
    • 1.脳のカロリー消費
    • 2.咄嗟の判断に必要な時間
    • 3.精神力

でした。

自分の選択や行動は変えられるんですね。
 

では、他者に対してはどうでしょうか?
 

今回は「他者の性格を変えることは可能か?」について考えてみたいと思います。
 

それではシンプルにいきましょう。

エニアグラムを学ぶキッカケ

私がエニアグラムを真剣に学ぼうと思うにいたった最大のキッカケは、
「当時2歳の長男の行動パターンが全く理解できずコントロール不能。
 手をあげることが増えてきたのでなんとかしたい」
という結構切実な理由でした。
 

エニアグラムを学ぶキッカケは
「自分を知りたい」という欲求が1番多いと思いますが、
私のように、
「他者を理解したい」
「できれば他者を変えたい」
という欲求がキッカケになる人は少なくないハズ。
 

実際、あからさまに世間に対して
「他者を変えたい」と声高に言うことは
はばかられるんですけどね(苦笑)。
 

でも意識する、しないに関わらず、
そういう欲求やニーズを完全に否定することは難しいと思うのです。
 

前回、「自分の選択と行動を変えることは可能」とお伝えしましたが、
これを他者に置き換えてみると
「他者の選択や行動を意図的に変えることは可能」
という言い方になります。
 

現実的にこれは可能なことなんでしょうか?

他者を変えようとすることは・・・

結論を言うと、
一方的、強制的に他者の選択や行動を変えることはできない
です。
 

まぁ、これは当たり前ですね。
 

もし自由にそんなことができるなら、
問題や悩みのタネはこんなに多くないハズ(苦笑)。
 

例えは良くないですが、
暴力、脅し、地位、弱みなどを使って、
強制的に他者の行動を変えた場合。
 

いろんな所に歪が生じて、結局自分に跳ね返ってくるんですよね。
 

まさしくブーメラン効果。
 

そして、問題の原因が、実は他者の側にはなく、
自分の「思い込み」が原因だった、
というのはとても多いのです。
 

もちろん私もそうでした(汗)。
 

だからそういったモロモロを考えると、
「変わらない他者」を変える努力をするくらいなら、
まだコントロールしやすい「自分」を一人説得した方が
手っ取り早く、成功率も高くなろうというものです。
 

なので他者を変えることはあきらめましょう・・・。
 

って嘘です。
 

そもそも他者を変えたいと思うからには
それなりの理由があるはず。
 

そして歳を重ねれば重ねるほど立場上、役割上、仕事上、
「他者を変えていく」というニーズを避けて生きて行くことは難しいのです。
 

もちろん他者を強制的に変える必要がなければ
それに越したことはありません。
 

でも人生には愛ゆえに心を鬼にすることも必要なわけでして。
 

ではどうしたらいいのでしょうか?

他者に対してできること

これも結論を先に言ってしまいますね。
 

他者に適度な影響を与えて、自発的に行動させることはできる」です。
 

大事なのは「自発的」ってこと。
 

言い換えると、
行動するかしないかの選択権は、
他者の側にあるということです。
 

自発的に自分で選択したからこそ、
それが責任感や行動力につながるんですね。
 

でも実際、他者に影響力を与えるというのは、
口で言うほど簡単ではありません。
 

人それぞれ響く言葉や好ましいと感じるアプローチは違うからです。
 

ではどうしたらよいのか?
 

そんな時こそエニアグラムです(笑)。
 

実はエニアグラム書籍の多くには、
「○タイプとの上手な接し方」
「○タイプの力になるには」
「○タイプにしてはいけないこと」
なんてテーマがあったりします。
 

ちょうど今、エニアグラム書籍を数冊読み返したのですが、
中々いいこと書いてあります。
 

例えば、レニーバロン/エリザベスウェイゲル著、
やさしいエニアグラム』では、
タイプ4には「お世辞をたっぷり言ってあげる」とあります。
 

自己評価が低すぎるタイプ4にとって、
お世辞は行動の動機付けにこそなっても、
決して天狗になることはないのです。
 

このように相手のタイプが明確に分かっているのなら、
かなり的確にアドバイスや影響力を与えることができるんですね。
 

もちろん、あまりにもあからさまで、
他者を貶めるつもりの影響力というのはNGです。
 

でも、そっと他者の背中を後押しするような影響力であれば
私はどんどん与えるべきだと思っています。
 

だから先ほど「適度な影響」と書いたのです。
 

このような「適度な影響力を他者に与える能力」を
以前の記事『エニアグラムを学ぶメリット』においては
「他者影響力」として紹介しています。
 

エニアグラムを学ぶと、
こんなことまでできるようになるんですね。

「性格とは?」のまとめ

さて、これで4回に渡ってお伝えしてきた、
シリーズ「性格とは?」は終わりです。
 

まとめてみますね。

  • 性格とは「違い」であり、人が「生き抜く為の力」である
  • 違いが生まれた理由は次の3つ
    • 1.防衛(異種族間)=防衛の型
    • 2.競争(同種間)=望むモノを手に入れる手法
    • 3.調和(社会性)=役割、持ち味
  • 性格=先天性{遺伝+命(めい)}+後天性{生育環境+役割}
  • 後天性は人が生き抜く為に柔軟性を発揮した結果である
  • だからこそ性格タイプ間には優劣がない
  • 「性格=タイプ+α(選択)」
    • タイプは変わらない
    • 行動の選択を変えることで性格は変えることができる
  • タイプが変わらないのは行動や考えをパターン化することで生き延びる為に必要な次の3つを節約できるから
    • 1.脳のカロリー消費
    • 2.咄嗟の判断に必要な時間
    • 3.精神力
  • 一方的、強制的に他者の選択や行動を変えることはできない
  • 他者に適度な影響を与えて、自発的に行動させることはできる
  • 相手のタイプが明確に分かっているのなら、エニアグラムの知恵を使えばかなり的確なアドバイスや影響力を与えることができる

いかがでしたでしょうか?
 

そもそもこのシリーズの目的は、
エニアグラムの各タイプの説明に入る前に
「性格」についての「よくある疑問」を解消することにありました。
 

エニアグラムが「性格分類法の一つ」である以上、
「性格とは?」という論点を
ハッキリしておく必要があると感じたからです。
 

実際、私自身、まとめてみることで
漠然としていた「性格」がかなり明確に見えてきました。
 

そしてこのシリーズを読んだあなたにも
何か気付きがあれば幸いです。
 

それではシリーズの締めに次の言葉を紹介します。

神よ、
変えることのできるものについて、 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
 

変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
 

そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
 

by ニーバーの祈り

これはアメリカの神学者
ラインホルド・ニーバー氏によるお言葉です。
 

もう、まさしくエニアグラムを学ぶ意義が
この言葉に凝縮されています。
 

つまり変えることのできない物は「タイプ」であり、
変えられるのは「選択」であり「行動」である。
 

そして変えられない部分をハッキリさせる「知恵」が
エニアグラムにあたります。
 

この言葉で1番大事なのは
変わることのない「タイプ」を受け入れること。
 

受け入れるのは、もちろんタイプの「光と闇」です。
 

光は誇示するものでもなく、闇も捨て去るものではない。
 

これまで何度もお伝えしたように、
「タイプの光と闇は生き延びる為の力」だからです。
 

結局、エニアグラムを学ぶ前に、
一つだけ覚えて欲しいことがあるとすればこの心構えだけです。
 

なぜ私がこの点についてこだわるのかというと、
「生きる力でもある闇を一方的に捨て去る」という、
「無駄な努力」をして苦しんでいる人を何人も見てきたからです。
 

その人達は、どうしてそのような解釈になってしまったのか、
ハッキリとした理由は私には分かりません。
 

エニアグラムの講師がそう教えたのか、
書籍にそう書いてあったのか、
学ぶ際に何故かそのように捉えてしまったのか。
 

まぁ、いろんな理由はあるのでしょう。
 

でも「光と闇の双方を受け入れる」というテーマは、
それこそ神話、物語、小説、映画、ドラマ、マンガ、アニメ、TVゲームなど、
古来から一貫して語られてきた人類不滅のテーマなのです。
 

だから間違った解釈をして欲しくない。
 

偉そうに聞こえるかもしれませんが、
そういう人を救いたいというのが私の偽らざる気持ちです。
 

これでシリーズ「性格とは?」は終わりです。
 

次回から新シリーズに入っていきます。
 

それではまた。
 
 

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