リバースエニアグラム

T9考察第3回「タイプ9が受け入れることに執着する理由_前編」

エニアグラムの案内人、篠田工治です。
 

今、地元名古屋のカルチャーセンターで、
単発のエニアグラム講座を受け持つかどうか
という話が持ち上がっています。
 

来週、その打ち合わせをすることになっているのですが
私としては嬉しい限り。
 

「学び」とは究極的には「教えること」なので、
この調子でオフラインの活動も増やしていきたいです。
 

さて、シンプルエニアグラム。
 

今回は「タイプ9の主な特徴」の第3回目です。
 

第1回目にはタイプ9が抱える根源の説明を、
第2回目にはその根源が抱える矛盾について説明をしました。
 

 

第3回目となる今回は
なぜタイプ9がそこまでして「受け入れる」ことに執着するのか、
その理由について解説します。
 

長くなるので前編、後編に分けますね。
 

それではシンプルにいきましょう。
 

行動力と思考力の功罪

最初に結論。
 

タイプ9の「受け入れる」ことへの執着は
タイプ3とタイプ6の反省から生まれました。
 

「はっ?コイツ何いってんの?」
と思うでしょうが、
こうやって考えると全てツジツマが合うんです。
 

少々メンドクサイとは思いますが、
タイプ9の事を知るために
タイプ3とタイプ6のおさらいをしてみましょう。

タイプ3の主な特徴
行動力
– 自分への確信(自信)が強い
– 競争力
– 自己主張的
– やる気
– エネルギッシュ
– 上昇指向
– 効率性を重視する
– 猪突猛進

 

タイプ3は、自分が有能であることを周囲にアピールする為に、
「やる気」と「自分に対する確信」をもって
仕事を成し遂げます。
 

「周囲」とは自分が帰属する集団のこと。
 

タイプ3は
「自分の帰属する集団がヨシとするイメージ」になりきり、
賞賛を受けることで、
安全な自分の居場所を確保しようとするんでしたね。
 

これがタイプ3の生きていく戦略なのです。
 

ただこのやり方にはいろいろと問題が生じます。
 

例えば、
「為せば成る!」とばかりに
物事をよく考えないで着手するので、
途中で軌道修正が頻繁に発生し、
結局は遠回りをしてしまう。
 

一度達成したら、同じことでは飽きたらず、
「もっと、もっと」と夢中になってしまい、
依存症になってしまう。
 

競争心や我(が)が強すぎて、
自分を押し通すことが多く、
仲間との軋轢(あつれき)が生じる。
 

そして皮肉にも、この「軋轢」が原因となって、
安心できる自分の居場所を失うこともあるんです。
 

一見成功者として華々しく見えるタイプ3も
こんな問題を抱えているんですね。
 

で、タイプ6はそんなタイプ3の問題を、
ちゃんと見ていたんです。
 

「やっぱり人間、やる気と行動力だけではアカンのやな~
恐れることと考えることも必要だわさ」
 

そこでタイプ6は
タイプ3とは正反対の戦略をとることにしたのです。
 

タイプ6の主な特徴
思考力
– 集中力
– 覚醒(頭が冴えている)
– 判断力
– 警戒心
– 油断大敵
– 猜疑心
– 緊張感
– 自己不信
– 他者不信

 

タイプ6は外の世界をとても恐ろしいものだと思い、
そんな不安に対抗する為に、思考力や判断力を発達させました。
 

タイプ3の反省点から「自己確信」という特徴を弱めたことが
警戒心を生み、よく物事を考えるキッカケになったのです。
 

「着手の前に、まずよく考えよう」
 

「自分の身を守れるかどうかの自信がないから、
警戒を怠らないようにしよう」
 

こんな感じでタイプ6は問題の芽を見逃さないように、
油断無く外の世界を警戒するようになったのです。
 

じゃあ、タイプ3の反省を踏まえたタイプ6には
問題は無かったのでしょうか?
 

もちろんそんなことはありません。
 

タイプ6といえど
常に緊張して外の世界を警戒し続けることは
精神的、肉体的に無理があります。
 

そしていくら危険を察知するのが早くても
追い詰められた場合。
 

その強い恐怖心が仇となり、

  • 1.「窮鼠猫を噛む」の例えどおり脅威に対して攻撃する
  • 2.自分の殻に閉じこもる(引きこもる)

の2択から選ぶしかなくなっちゃうんですね。
 

なのでタイプ6はそんな辛い状態から抜け出す為に
「大いなるもの=信頼できる権威や集団」に帰属して
その庇護を受けるという方法を考え出しました。
 

こうすることでタイプ6は
日常的な恐怖心から逃れることに成功したのです。
 

「信頼できる基盤への帰属」と「警戒心」。
 

これがタイプ6の生きていく戦略なのです。

タイプ9の選んだ道

タイプ9はそんなタイプ6のことを、
そしてタイプ3のこともちゃんと見ていました。
 

「そうか、行動力と思考力は
どっちも強すぎると大変なのねー。
ならさ。  
もういっそのこと
行動力も思考力もなくていいんじゃないの?

 

というわけでタイプ9は
タイプ3とタイプ6を反面教師にして
別の戦略を選び取ったのです。
 

それが「自己抑制」です。
 

タイプ9は、まずタイプ3が持つ、
「行動力、競争心、やる気、自信、効率を求める」といった特徴を、
低く抑えることにしました。
 

そして同じくタイプ6が持つ
「思考力、集中力、緊張感、警戒心、猜疑心」といった特徴も
低く抑えたのです。
 

その結果どうなったのか?
 

競争心や我(が)の強さが無くなったので、
他者との軋轢はなくなりました。
 

自分から波風を立てることがなくなったのです。
 

また、効率性やスピードを求めることもなくなり、
逆に辛抱強さや忍耐強さを持つようになりました。
 

そして緊張感や警戒心がなくなったことで
おだやかに、そしてのんびり暮らせるようになったのです。
 

これでタイプ9はメデタシメデタシ・・・とはなりませんでした。
 

二つのタイプを参考にしたのにも関わらず、
やはり問題は発生したのです。
 

何故だか分かりますか?
 



以下、その理由をお伝えしますね。
 

タイプ3が持つ特徴は人間の2大欲求である
「快を得る」という欲求を
とても素直に表現したものです。
 

「もっともっと」という我欲は
確かに他者との軋轢を生むかもしれません。
 

でもこれは生きて繁殖していくためには必要なこと。
 

「美味しい物を腹いっぱい食べたい」
 

「稼げてデキル人間になってステキな人と結婚したい!」
 

「あんなデカイ家に住みたいなぁ」
 

人それぞれ「快楽」や「欲」の形は違えど、
基本的にそれらは「行動」があってこそ実現します。
 

人は「欲」があるから行動できるのです。
 

誤解を恐れずに言えば、
タイプ9は欲を押さえることによって生きていく理由付け、
つまり「生きていく動機」が弱くなってしまったのです。
 

そしてタイプ6が持つ特徴も同じく、
人間の2大欲求のもう一つ、
「不快を避ける」という欲求を
とても素直に表現したものです。
 

確かに恐怖に震え、不安に慄く(おののく)のは
緊張の連続なので疲れるし辛いことかもしれません。
 

さらに、自分や他者を疑うことは迷いや葛藤を生み出します。
 

でも、目の前の危険を避けようとするからこそ、
人は意識を集中し、
よりよい判断をしようと頭を働かせることができる
のです。
 

そして警戒心や猜疑心が功を奏して、
痛い目を見ずに済むことだって
いっぱいあるワケです。
 

これまた誤解を恐れずに言えば、
タイプ9は不快なものに対する思考力を弱めたことで
「生命維持に対する関心」が弱くなってしまったんですね。

タイプ3の特徴:人間が人間として生きて行くための強い動機
タイプ6の特徴:生命維持活動

これらは一言で言うなら 「生きていく原動力」です。
 

この「生きていく原動力」があるからこそ、
人は感動を味わえるし、
「自分」という存在をしっかり認識することもできるのです。
 

つまり、タイプ3とタイプ6の反省から
タイプ9のとった戦略「自己抑制」の本質は
「生きていく原動力の抑制」
だったのです。
 

原動力の低下がもたらすもの

その結果、タイプ9は

  • 心ここにあらず
  • ぼーっとしている
  • 無感動
  • 存在感が希薄

といった状態になることが多くなりました。
 

自分の存在をしっかり認識できなければ、
自分の本当の価値も分からなくなります。
 

そして、いつしか自分のことを軽く見るようになります。
 

この場合タイプ9は「自己抑制」から一歩進んで
自己軽視(疎外)」するようになるんです。
 

その結果、次のような態度を見せるようになったのです。
 

  • あきらめ
  • 怠惰
  • 物事を過小評価しがち

と、ネガティブ面はここまで。
 

タイプ2の私は本来ネガティブなことは言いたくないのです(笑)。
 

物事は全て表裏一体。
 

一見、ネガティブに見えるこの「自己軽視(疎外)」も
決して悪いことばかりではありません。
 

この言葉をひっくり返すと
「他者重視」「他者を理想的なものと捉える」という
側面が見えてきます。
 

そしてこの側面こそが
「タイプ3≒行動力」
「タイプ6≒思考力」
とは別次元の新しい能力を タイプ9に授けることになったのです。
 

その能力とは・・・次回のお楽しみ(笑)。
 

というわけで今回はここまで。
 

まとめます。
 

【タイプ9が受け入れることに執着する理由_前編】
■行動力と思考力の功罪
・タイプ9の「受け入れる」ことへの執着は
 タイプ3とタイプ6の反省から生まれた
 ・タイプ3≒行動力(やる気)
  ・タイプ3の問題点
   ・猪突猛進
   ・同じことに飽きたらず依存症的
   ・我の強さや競争心が生む周囲との軋轢
 ・タイプ6≒思考力(集中力)
  ・タイプ6の問題点
   ・恐れや不安が生む、極度の緊張感
   ・窮地における攻撃性、引きこもり
■タイプ9の選んだ道
・自己抑制力=タイプ3的特徴とタイプ6的特徴の抑制
・抑制のメリット
 ・他者との軋轢を回避
 ・波風立てない
 ・辛抱強い、忍耐強い
 ・のんびり、ゆったり
・抑制の問題=生きていく原動力の低下
 1.人間が人間として生きて行くための強い動機の低下
 2.生命維持活動の低下
■原動力の低下がもたらすもの
・自己抑制
 ・心ここにあらず
 ・ぼーっとしている
 ・無感動
 ・存在感が希薄
・自己軽視(疎外)
 ・あきらめ
 ・怠惰
 ・物事を過小評価しがち
・自己軽視が転じると
 ・他者重視
 ・他者の理想化

 

でした。
 

次回は「タイプ9が受け入れることに執着する理由」の後編。
 

自分を軽視しがちなタイプ9が身に付けた能力について
お伝えします。
 

それではまた。
 

【追伸】
 

今回のお話って、何もタイプ9に限ったことではありません。
 

自分の存在をハッキリ認識できなければ、
人は自分のことを軽んじるものなのです。
 

今回お伝えした「タイプ3→6→9」の流れは、
実は一人の人間の中にも心情の変化として起こりやすいこと。
 

タイプ369以外の人も覚えておくとよいでしょう。
 
 

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