リバースエニアグラム

T9考察第4回「タイプ9が受け入れることに執着する理由_後編」

エニアグラムの案内人、篠田工治です。
 

さて、シンプルエニアグラム。
 

今回はタイプ9の主な特徴の4回目。
 

前回に引き続き、
「タイプ9が受け入れることに執着する理由」
の後編です。
 

 

それではシンプルにいきましょう。

新しい能力

さて、引っ張った割には
皆さんもう分かってると思うので
さっさと結論です。
 

人間が生きて行くための原動力を抑制し、
自分を軽視しがちなタイプ9が身に付けた新たな能力。
 

それは共感力です。
 

普段よく使う言葉ですが、
「共感」とはそもそもどういう意味なのでしょうか?

いつもお世話になっている三省堂大辞林さんから。
 

きょうかん 【共感】
(1)他人の考え・行動に、全くそのとおりだと感ずること。同感。
 「―を覚える」「―がわく」「彼の人生観に―する」
(2)〔心〕〔sympathy〕他人の体験する感情を自分のもののように感じとること。
(3)〔心〕〔empathy〕⇒感情移入

お、計らずもいい表現が出てきました。
 

なので赤字を使っちゃいます(笑)。
 

内容としては、とくに(2)の
「他人の体験する感情を自分のもののように感じ取る」
が重要。
 

実際、共感力が高いタイプ9は言葉はもちろんのこと、
「表情」
「仕草」
「雰囲気」 などから相手の思考や感情を読み取ることはお手のもの。
 

そして読み取った他者の思考(考え)や行動、そして感情
自分のものとして取り込むことができるんです。
 

別の言い方をするなら、タイプ9は

1.共感力を使って
2.「他者の生きていく原動力」を自分の中に取り込み
3.自分の原動力へ置き換えることに成功した

ってこと。
 

こうしてタイプ9は、タイプ3の行動力や
タイプ6の思考力のレベルには及ばないものの、
生きていく為の原動力を間接的に手に入れたのです。
 

このイメージを数式で表すならこんな感じ。
 

「タイプ9の共感力=間接的な原動力=他者の思考+行動+感情」
 

なのでタイプ9における共感力とは、
普段使っているような他者への「同情」とか「繋がり」よりも
もっと深い関係性を意味するのです。  
具体的には

  • 一体化
  • 同化
  • 融合 合体

という、より他者と密着した関係性を指します。
 

そしてこの数式に前回お伝えした
「自己軽視(疎外)」
「他者重視」
「他者を理想的なものと捉える」
が加わるとどうなるでしょうか?
 

「タイプ9の共感力=間接的な原動力他者の思考+行動+感情)」

ただの同化ではないんです。
 

常に他者を高みに置き、
尊重しながら同化するんです。
 

つまりはこういうことです。
 

【タイプ9が他者を受け入れることに執着する理由】
タイプ9にはタイプ3やタイプ6と比べて
生きていく為の原動力が少ない

タイプ9は自分よりも
他者の考えのほうが素晴らしいと思っている

他者の考えを取り込めば
自分の原動力にすることができる

ぜひ受け入れたい!

だからこそタイプ9は_進んで__他者を取り込みたいし、
受け入れることに執着するのです。

タイプ9の恐れ

ここにきて、
ようやく「タイプ9の恐れ」をお伝えすることができます。
 

・タイプ9が抱える根源
 「受け入れなければ守れない」

・タイプ9の恐れ
 「葛藤や争いによって他者を受け入れられなくなること」

何故、タイプ9が葛藤や争いを恐れるかというと、
簡単に言えば、共感力が低下するからです。
 

葛藤や争いは「不信」と「怒り」を生みます。
 

その「不信」と「怒り」は
「他者を受け入れたい」という欲求、
つまり共感力を著しく低下させます。
 

強い葛藤や争いは
「同化→分離」のキッカケになりかねないのです。
 

そして他者と分離すれば、これまで利用してきた
「他者の感情や行動や思考」も離れていってしまいます。
 

これは、せっかく手に入れた
「生きていくための原動力」をみすみす手放すようなもの。
 

いわばタイプ9の生命の危機なんですね。
 

だからこそタイプ9は葛藤や争いを避け、
他者への不信や怒りを普段から感じないようにしているんです。
 

前回前々回
タイプ9は怒りに対して我慢強いとお伝えしましたが、
これがその理由なんですね。

もう一つの能力

これもさっさと結論です。
 

生きていく為の原動力が少ないタイプ9は
共感力を基礎とする「受け入れる」戦略だけでなく、
もう一つの能力を身に付けました。
 

それは「慣性の法則」です。
 

これまで長々とタイプ9が「受け入れる人」であることを
説明してきました。
 

結局のところ、タイプ9の多くの特徴は
「生きていく原動力の無さ」に由来します。
 

なので「同化」という、
えらく難しいテクニックを使ってまで
原動力を手に入れようとします。
 

でもね。
 

ここがタイプ9のウィークポイントなんですが、
他者へ依存する度合いが大きいんですよ。
 

もう一度おさらいですが、
タイプ9が依存する「他者」とは何でしたでしょうか?

・タイプ9が受け入れる対象
 1.他者
 2.集団
 3.環境
 4.自然
・それら対象がもたらすもの
 1.考え(主張、要求、価値観)
 2.ルール(決まり、摂理、法則)

でしたよね?
 

でも現実問題として、
何らかの理由でこういったモノを取り込めない場合、
もしくは取り込まない方がいい場合も
考えられるワケです。
 

そうなるとやっぱり原動力が低くなる・・・。
 

ようするにタイプ9の「受け入れる」戦略は
彼らが置かれている環境に左右されやすく、
常に不安定なもの
だということです。
 

それが自前の原動力を持ちにくい、
タイプ9の弱点なんです。
 

「原動力」とは、
止まっていたものが最初に動き出すのに必要な、
強い力のこと。
 

これがないとタイプ9は
・怠惰
・あきらめ
・自他の過小評価
になるんでしたね。
 

一旦、そのような停止状態になると、
再び動き出すためには多大な努力を要します。
 

だからこそタイプ9には、
 

「せっかく動き始めたのだから、
その動きを止めないようにしなきゃ」
 

という発想が必要になってくるんです。
 

これが原動力の無さゆえに
タイプ9が編みだしたもうひとつの特徴、
慣性の法則」です。
 

昔学校で習いましたよね。
 

これを人間の行動に変換すると、

・一旦動き出したことを
・同じやり方
・同じペースで
・繰り返す

です。
 

もちろん動かなければ
じっとそのまま止まっている。
 

実際、身近なタイプ9を見ていると、
一旦やり方を確立すると、
もう絶対に変えようとしないですね。
 

他者がそれを変えようとしても、
なかなか難しい(苦笑)。
 

T9上司の仕事の進め方がまさしくそうで、
軌道を変更してもらうには
いつも長期戦を覚悟せねばなりませんでした。
(ほとんどが失敗しましたが_笑)
 

要するに頑固ということなんですが、
別のいい方をするならば、
「原動力を保持しておこう」という一種の保険なんですね。
 

・・・
 

今回はここまで。
 

まとめます。

■新たな能力=共感力
・タイプ9の共感力=間接的な原動力≦他者の思考+行動+感情
・共感力とは
「他人の体験する思考、行動、感情、を
 自分のもののように感じ取る」能力のこと
・共感力があれば「言葉」はもちろんのこと、
 「表情」
 「仕草」
 「雰囲気」
 などから他者を深く読み取ることができる
・タイプ9における共感力とは
 「一体化」
 「同化」
 「融合」
 「合体」
 など、密着度が高いものである
・タイプ9は読み取った他者の思考や行動、そして感情を
 自分の原動力に変換することで、
 間接的な原動力得ることが可能
・「他者重視」、「他者を理想化する」という特徴と
 共感力が組み合わさることで、
 タイプ9は進んで他者を受け入れようとする
■タイプ9の恐れ
・「葛藤や争いによって他者を受け入れられなくなること」
・葛藤や争い=不信と怒りを生む=共感力の低下
 =同化から分離へ=原動力の喪失
■もう一つの能力=慣性の法則
・タイプ9の「受け入れる」戦略は、
 彼らが置かれている環境に左右されやすく、
 常に不安定なもの
・原動力が少ない為、一旦停止状態になると、
 再び動き出すためには多大な努力を要する
・その為、一旦動きだしたらそれを維持しようする能力、
 「慣性の法則」を身に付けた
・「慣性の法則」とは
 ・一旦動き出したことを
 ・同じやり方
 ・同じペースで
 ・繰り返すこと
 又は
 ・動き出すまではそのまま止まっていること
・慣性の法則とはいわば「原動力を保持しておこう」という
 一種の保険

でした。
 

さて、いよいよ次回はタイプ9考察の最終回。
 

共感力から生まれる、
もう一つの特徴についてお伝えします。
 

それではまた。
   

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