リバースエニアグラム

T9考察第5回「癒しの湯_タイプ9の欲求とまとめ」

エニアグラムの案内人、篠田工治です。
 

さて、シンプルエニアグラム。
 

前回はタイプ9の重要な特徴、
「共感力」と「慣性の法則」についてお話しました。
 

今回はタイプ9の主な特徴の最終回。
 

「共感力」から生まれる特徴についてのお話とまとめです。
 

それではシンプルにいきましょう。

共感力=セロトニン

前回はタイプ9が持つ「共感力」について
色々お伝えしました。
 

言葉だけに頼らずとも
タイプ9は他者の考えていることを
自分のことのように感じるんでしたね。
 

実はこの能力。
 

脳科学的には人間だけに許された能力なんです。
 

群れの人数が多くなればなるほど、
他者とのぶつかり合いはそれだけ多くなります。
 

だから他者との折り合いをつける「共感脳」は
群れを円滑にする潤滑油としての役割を果たすんです。
 

この共感脳は脳内物質「セロトニン」が司っています。
 

実はセロトニンがしっかり働いていれば、
タイプ9だけでなく、誰もが共感力を発揮できます。
 

でも一番共感力を発揮できるのがタイプ9ってことですね。
 

さて、このセロトニン。
 

実は「共感力」以外の特徴も司っているのです。
 

それが次に説明する「癒し」です。
 

再びリラ○クマ

もう一度、例の茶色い熊に登場してもらいます(笑)。
 

まさに癒し系キャラクターとして
名を馳せた茶色い熊君。
 

彼はなぜあんなにリラックスしているのか分かりますか?
 



それはリラックスしたいから。
 

別にフザケているわけではありません。
 

「したい」から「している」というのは
そういう「欲求」があることを示しているのです。
 

では何故リラックスしたいという欲求があるのか?
 

それはリラックスすると
脳が気持良さを感じる
ようにできているから。
 

リラックスするとセロトニンが活性化して
気持よくなるんです。
 

人間が感じる気持良さ、心地良さって
ざっくり分けると次の二つがあるんです。
 

一つは
タイプ3が求める「達成感」に近いもの。
 

「ヤッターーーーーー!!」
 

「超~気持ちいいーー!!」
 

「もっと!もっと!!もっと!!!」
 

て感じの強烈な気持良さ。
 

長いお預けのあとにご飯をガッつく時の気持良さ、
とでも言いましょうか。
 

通常はこの気持良さを「快感」とか
「快楽」と言ったりします。
 

そして、もう一つは茶色い熊のような
 

「ほっとするねぇ~」
 

「ゆったり」
 

「のんびり」
 

「まったり」
 

「ゆるゆる」
 

「ダラダラ」
 

という穏やかでスローテンポな気持良さ。
 

こちらの気持良さは通常
「癒し」とか「安らぎ」と言ったりします。
 

個人差はあれど、
この二つの気持良さは、
大抵、誰でも感じることができます。
 

でもタイプ9は
後者の静かな心地良さ=癒しに馴染みはあっても
前者の激しい気持良さに馴染みがないんですね。
 

今までさんざんお伝えしてきた、
「生きて行くための原動力=行動力」の元になるのは
前者の激しい気持ち良さ=強い快楽です。
 

脳科学的には「報酬系」といったりしますが、
欲しくて欲しくてタマラナイモノをゲットした時の
気持ち良さです。
 

この気持良さに馴染みがない、
つまり「無欲」だからこそ、
タイプ9は自前で行動力を生み出しにくいのです。
 

極端なことを言えば、
共感力が強いタイプ9は
いつでもぬるい温泉に入っているようなものです。
 

のんびり温泉に浸かってたら
ガッつく気持ちって弱まるじゃないですか。
 

アレと同じです(笑)。
 

実は、タイプ6が持つ思考力や集中力に
タイプ9が馴染みがないのも結局同じことなんです。
 

思考力や集中力の元になる不安や恐怖って
ようするに緊張感なんですよ。
 

いつでも逃げたり攻撃できるように
戦闘態勢を続けるから、
緊張感で心も体もガッチガチ。
 

そんな状態でもゆっくり温泉に入ったら、
心配事や不安がいくぶん和らいで
「ほっ」とするじゃないですか。
 

温泉でのんびりまったりしていれば
悲観的な考えも「まぁ、なんとかなるさ」って
思うようになる・・・。
 

つまり、「共感力」は「癒し」を生み、
「癒し」は「楽観性」を生む
んです。
 

こんな感じでタイプ9は
いつでも名湯「癒しの湯」に浸かっているし、
浸かっていたいんですね。
 

他者を受け入れて、共感力を発揮すればするほど、
セロトニンがよく働き、
いつでも癒しの名泉に浸かっていられる(笑)。
 

そういえば茶色い熊の趣味の一つも温泉でしたね(笑)。
 

第1回でお伝えした「心地良い世界」とは
まさしくこういう状態を指すんです。
 

そして、ここで前回のお話につながります。
 

前回、タイプ9が葛藤や争いを避けることを
お伝えしましたよね?
 

その理由は

1.葛藤や争いにより共感力が下がって
2.せっかく同化した他者から分離し
3.生きていく原動力が無くなってしまう

からでした。
 

実はもう一つ理由があります。
 

「葛藤や争い」は「気持ちのよい癒しの空間」を邪魔するんです。
 

せっかく気持よく温泉に入っているんだから、
みんな仲良くのんびりしようぜって感覚。
 

こうやって考えれば
タイプ9が何故、葛藤や争いを避けようとするのかが
より理解しやすいと思います。
 

葛藤・争い

怒り・不信を生む

共感力が低下する

他者から分離してしまう

「原動力・癒し・楽観性」が低下する望ましくない状態へ

タイプ9の欲求

癒しの効能は自分が癒されるだけではありません。
(効能って書くと温泉ぽい_笑)
 

それは茶色い熊のキャラクター商品が
何故根強く売れ続けるのかを考えれば
スグに分かりますよね。
 

それは人は癒されている人を見ると
自分も癒される
からです。
 

茶色い熊のキャラクター商品を買って、
「ヨッシャー!!モチベーション上がったー!!」
とか
「もうね。これ持ってないと不安で不安で(汗)」
という人って普通に考えればいないワケです(笑)。
 

通常は
「なんか癒されるよね~~~」
「ほっとするよね~~~~~」
てなもんです。
 

平たく言うとタイプ9が癒されていると、
癒されたい人が集まって来るんです。
 

もっと言えば、これまでお伝えしてきた
「受け入れ・共感力・癒し・楽観性」という
タイプ9の特徴は、全て人を集めることができるんです。
 

タイプ3は自分が成し遂げた結果とか高い評価をもって、
人を集めるんでしたね。
 

「〇〇さんって、やっぱスゲエや!!」
「〇〇さんには敵わない!!」
 

タイプ3が「有能さ」によって人を集めるのに対し、
タイプ9は「受け入れ」や「癒し」によって人を集めるのです。
 

そして集まった人達の原動力を取り込んで、
自分の原動力にしたり、タイプ6のように集団の庇護を受ける。
 

タイプ9は、まさしくタイプ3とタイプ6のイイトコどりのような 存在なんですね。
 

これがタイプ9の生きていく為の戦略です。
 

ただ、このタイプ9の戦略がうまくいく為には
必要不可欠な条件があります。
 

それはどんな条件だか分かりますか?
 




 

それは「葛藤や争いがない状態」、
つまり「平和・平穏無事・調和」です。
 

・タイプ9が抱える根源
「受け入れなければ守れない」

・タイプ9の恐れ
「葛藤や争いによって他者を受け入れられなくなること」

・タイプ9の欲求
「心地良い世界を守り、他者の原動力を取り込む為に
 平穏無事であること」

 

タイプ3やタイプ6のような生きていく原動力が少ない
タイプ9に必要なのは「平和」な環境なんです。
 

そして、この「平和」な環境というのは、
付き合う人や置かれた状況といった
外部の影響に非常に左右されやすく、
言わば脆い存在です。
 

なのでタイプ9の生存戦略は
その脆い存在を前提とする弱みがあるんですね。
 

タイプ3とタイプ6の反省点から生まれた戦略も
残念ながら完璧なものではないということです。
(全てのタイプに言える事ですが)
 

それさえ分かっていれば、
彼らに問題が発生しても対処はしやすいと思うのですが、
一旦これって決めたら
なかなかやり方を変えないタイプ9のことですからね。
 

付き合う人や環境を自分から率先して変えていくのは
きっと難しいことなのでしょう。

タイプ9のまとめ=統合力

以上でタイプ9の生きていく基本戦略の説明が
終わりました。
 

最後にもう一つだけ、まとめを兼ねて
タイプ9の機能を説明します。
 

それが「統合力」です。
 

・・・
 

結局のところ、
タイプ9は無欲であり、おおらかなんです。
 

確かにその特徴は、
多くの宗教や道徳などが目指す姿として、
尊ばれることが多いのかもしれません。
 

でも、現実的には、
そういう状態では食い扶持を稼いだり、
イザという時に我が身を守ることが困難になります。
 

出家でもすれば話は別かもしれませんけどね。
 

でも通常はなんとかして
生きて行く為の原動力を手に入れなければならんのです。
 

そんな彼らが生み出した能力が
他者の考えや集団のルールを自分のものとして
取り込む共感力でした。
 

そしてタイプ9は取り込んだ他者の考えを
自分を動かす原動力に変換することで
なんとかやっていけるようになったのです。
 

面白いことに、この共感力は
癒しという穏やかな心地良さを
タイプ9に与えるようになりました。
 

それは多分、
他者の考えを取り込むのは大変なことだから、
タイプ9に、その動機を与える為に
脳みそが取り計らってくれたご褒美なのでしょう。
 

(出産やランナーズハイの時の 脳内麻薬エンドルフィンのようにね)

理由はどうであれ、
これまで無欲だったタイプ9にも
穏やかな気持ち良さを
ずっと感じていたいという
癒しへの欲求が生まれました。
 

それゆえタイプ9は
癒しの心地良さを味わう為に、
ドンドン共感力を強めていったのです。
 

そして癒されれば癒されるほど、
タイプ9は楽観的になりました。
 

癒しとは
気持ちよく温泉に浸かっているようなものなので
悲観的に物事を考えることはできないからです。
 

そのうち、癒されて楽観的になっているタイプ9の元に、
癒しを求めて人が集まってくるようになりました。
 

癒されている人を見ていると、
その人も癒されるからです。
 

もちろん人は集まれば集まるほど
争いは起こるもの。
 

生きていく原動力は、
むしろ衝突を望むような一面があるからです。
 

しかしタイプ9にとって争いや葛藤は
避けるべきものです。
 

なぜなら争いや葛藤は怒りや不信を生み、
せっかく取り込んだ他者の原動力を手放すばかりか、
癒しの世界から引き剥がされることに繋がるからです。
 

そこでタイプ9はどうしたか。
 

他者からの強い要請もあったので
タイプ9は集団における争いを仲裁することにしました。
 

なにせタイプ9は自分より他者のことを
理想的だと思っています。
 

そして共感力によって、
それぞれの考えていることがよく分かるのですから
仲裁役には最適です。
 

そしてタイプ9の役割は
いつしか仲裁役からまとめ役に変わっていきました。
 

他者の考えていることが、それぞれ分かるということは
集団全体がよく見えていることに他ならないからです。
 

自分を強く主張することなく、
それぞれの主張や得手不得手を尊重し、まとめ上げる。
 

これが集団における「調和」であり、
タイプ9が持つ機能「統合力」の結果です。
 

大げさに言えば
タイプ9が統合力を存分に発揮できる環境であれば
その集団の発展は約束されたも同然なのです。
 

・・・
 

まとめはここまで。
 

少々風呂敷を広げすぎた感がありますが
タイプ9解説はこれで終わりです。
 

こうやってみると
意外とタイプ9も複雑な戦略をとっていることが
分かりますね。
 

でも今回は身近な人にタイプ9が5人もいたから、
話しを組み立てるのにさほど苦労はしませんでした。
 

あと、なるべくタイプ3とタイプ6を
関連付けて説明することで
関係性や理解が深まればいいなぁと思いましたが
いかがでしたでしょうか?
 

ご意見ご感想をお待ちしております。
 

タイプ6考察でもそうでしたが、
生きるための多様性って奴は、
知れば知る程、本当に面白いですね。
 

そして美しさを感じます。
 

さて次回からはタイプ4考察が始まります。
 

3・6・9・4・1・7・5・8・2
 

タイプ4はどんな美しさを見せてくれるのでしょうか?
 

乞うご期待!ってことで。
 

それではまた。

 

 
コメント
 

1 ■はじめまして
いつも詳しいタイプ説明の記事をありがとうございます。素晴らしいですね!
とても勉強になります。

エニアグラムを講座に出て勉強中のエニア病の主婦、タイプ3のころんと申します。
タイプ9のことも、改めて理解が深まりました。
3,6,9の繋がりに関してもナルホドです。
息子はタイプ4なので、これからの記事が楽しみです(^^)!
ころん 2011-07-05 13:33:09
 

2 ■ころんさんへ
ブログお読みいただき有難うございます。
タイプ間の繋がりについては、
記憶力が無い私の苦肉の策でもあります(笑)。

今後ともご愛顧ください。
篠田工治 2011-07-05 17:17:16

3 ■ありがとうございます
一番自分が分かってないT9の美鈴です(笑)
凄く分かりやすくて、もう納得納得、
そうだったのよそうなのよう~~~と、感動です。

そしてダーからのあだ名はリラックマです・・・w

どの本より分かりやすくて楽しいですよ!(^-^)
美鈴 2011-07-05 17:51:03
 

4 ■面白かったです♪
タイプ9考察、ありがとうございました。

タイプ9は基本シンプルにみえるけど、状況に応じて対応する戦略があるんですね。

タイプ3と6の三角形の関連性でのご説明も、性格タイプ間の繋がりや動きを意識して理解でき、よかったです(^^)

「統合力」の話も面白いです。タイプとしての持ち味を発揮した先のタイプ像を示して下さって、嬉しいです。

わかりやすく入ってきやすい、素晴らしいブログをありがとうございます(^O^)

タイプ4も始まりましたね。僕はタイプ4で合ってるか楽しみに読ませていただきますね♪
神楽大王 2011-07-05 19:23:35
 

5 ■美鈴姐さまへ
コメント有難うございます。

そして、メールのお返事できなくてスミマセン(汗)。

一度お姉さまの「リラックマモード」を見てみたい気もしますが、 まぁ、それはダーさまの特権ということで(笑)。

引続き、ブログご愛顧くださいませませ。
篠田工治 2011-07-05 20:11:42
 

6 ■神楽大王さまへ
コメント有難うございます!

そうですね。

タイプ9のまとめは結構手こずりました。

その理由は「調和・平和」という特徴を出すのに
引っ張ったから(笑)。

「平和主義者だから受け入れる」という順番ではなく、
「いろんな理由があって受け入れていくから、
 結果的に平和主義者になる」ということが
言いたかったのです。

実はもうお気づきかもしれませんが、
タイプ369の解説では、奇抜なことはそんなに言っていません。

使っている特徴やキーワードは、
多くのエニアグラム書籍に書かれていることばかりです。

ただ、優先順位やお伝えする順番、
ほかのタイプとの兼ね合いはちょっと頭を捻っています。

あとはクダケタ例え話ですかねぇ(笑)。

タイプ4考察始まりましたので、
ツッコミお願いしますね。
篠田工治 2011-07-05 20:27:11
 
 

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